
韓国の俳優キム・スヒョンが、未成年のころの俳優キム・セロンさん(今年2月死去)と交際していたという疑惑が広がりを見せる中、キム・スヒョンを広告モデルに起用しているブランドを対象に不買運動が活発になっている。
ある会社員(24)は次のように話す。
「これまでトゥレジュール、プラダ、ジョー・マローン・ロンドンなど、キム・スヒョンがモデルを務めるブランド製品を愛用してきたが、企業が契約を解除しない限りは購入を控える。キム・スヒョンをモデルに据え続けるのは『未成年と成人の交際に問題はない』と認めるのと同じこと」
別の会社員(27)も同様の感想を抱く。
「母がコンサートに行くほどのファンで、彼がモデルの製品を選んで購入していたが、今回の件で大きなショックを受けている。このまま論争が続けば、もう購入は難しい。問題のあるモデルの商品を買うことで、他人から『論争に構わず購入する人』どころか『その芸能人を擁護する人』と見られるのが怖い。代替品があるなら、あえて物議を醸すモデルの製品を選ばない」
◇「企業への反発は当然」…専門家の見解
専門家は、論争に巻き込まれたモデルを起用するブランドに対する不買運動は、消費者の自然な反応だと分析している。
仁川大学消費者学科のイ・ヨンエ教授の見解はこうだ。
「芸能人を通じて形成されるブランドイメージは一般の商品より期待値が高く、その分失望も大きい。プライベートのスキャンダルが起こると、消費者は期待と現実のギャップを埋めるために不買という積極的な表現に出るのだ」
仁荷大学消費者学科のイ・ウンヒ教授は次のように指摘する。
「芸能人のイメージを投影して売り上げ増加を狙うのだから、消費者が企業に反発する心理は当然だ。商品の購買時、広告モデルがもたらす感情や消費心理までが製品の効用として含まれているため」
◇中国でも批判拡大
キム・スヒョンは中国でも高い人気を誇っていたが、現地でも世論は悪化している。
SNSには「明洞のアイダー店舗でキム・スヒョンの広告写真の前で、中国人女性たちが中指を立てて写真を撮っていた」という目撃談が投稿された。
また「小児性愛疑惑のある俳優を広告モデルに使うのは国家の恥」だとして、「ブランドは早急にキム・スヒョンを降板させるべきだ」という声も上がっている。
◇確認された事実への批判は当然だが、司法の判断も待つべき
一方で、明確に立証されていない事実への過剰な非難は危険だとする意見もある。
不道徳な行為に対する社会の批判は自然だが、不確かな情報については司法的な判断を待つ必要があるという主張だ。
檀国大学心理学科のイム・ミョンホ教授は次のような見解を示す。
「社会全体で公権力への不信が高まり、国民が『自分たちが公平な判断を下す』という意識を強く持つようになった結果、批判が過熱しやすい。追加の被害を防ぐためにも法的な手続きを見守るべきだ」
キム・スヒョンの所属事務所ゴールドメダリストは14日、「キム・セロンさんが成人後に約1年間だけ交際していたにすぎない」として、未成年時代の交際疑惑を否定している。
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