2024 年 11月 25日 (月)
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韓流トップスター、警察の“フォトライン”に立った理由 [韓国記者コラム]

(c)news1

「電動スクーター飲酒運転」の疑いをかけられている韓国の人気グループ、BTS(防弾少年団)のメンバーSUGAが23日、ソウル龍山警察署に出頭した。SUGAは今月6日午後11時15分ごろ、ソウル市龍山区漢南洞の自宅近くで酒を飲んだ後、電動スクーターを運転した疑いが持たれている。

23日午後7時44分、SUGAは警察署に出頭する前に、フォトラインの前で発言した。50センチほどのフォトラインの前に立ち、両手を合わせて「申し訳ありません」と小さな声で述べた。

フォトラインとは、警察署や裁判所、空港などで、著名人が出入りする際、報道陣が写真を撮影できるように設定されたラインやエリアを指す。

警察は当初、SUGAに対する非公開調査を検討していたとされる。これは「警察捜査事件などの広報に関する規則第13条」に基づくもので、そこには「召喚、調査、押収、逮捕、拘束などの捜査過程がメディアやその他の人々に撮影・録画・中継されないようにしなければならない」と規定されている。

しかし、この日の午前から龍山署の前には数十人の報道陣が集まっていた。SUGAの出頭がすでに報道陣に知られていたためである。特に龍山署の構造上、車で到着した容疑者は地上の駐車場から降りて建物に入らなければならないため、地下駐車場を利用して報道陣を避ける方法がなかった。

最終的に、警察は安全事故を懸念して現場の取材状況を管理し、そのプロセスでフォトラインが設置された。フォトラインが警察の意志であれ、報道陣の意志であれ、出頭の事実が知られている以上、SUGAは「フォトライン」を避けることができなかった。

フォトラインは、容疑者の人権と国民の知る権利の間にある「扱いの難しい問題」だ。最近では、「麻薬投与の疑い」で取り調べを受けた俳優のイ・ソンギュンが、死亡する4日前に非公開召喚を要請したが、警察がこれを拒否し、フォトラインの前に立たせたことで、大きな議論を巻き起こした。

SUGAがフォトラインに立ったことについても「辱めに過ぎない」という指摘がある。疑惑に対して過度な関心と批判がSUGAに向けられているという批判も少なくない。一方で、SUGAのファンのSNSでは、フォトラインの前でファンに謝罪と説明をするのがSUGAの義務だとする意見も続いている。

警察の内情は複雑だ。容疑者の人権を守るためには、調査場所や日程を知らせるべきではない。しかし、関連情報を入手して取材するメディアを現実的に阻止するのは難しい。また、容疑者の要請で報道陣を避けるための協力をすれば、特恵論争に巻き込まれる可能性がある。

3カ月前のトロット歌手キム・ホジュンの例が代表的だ。ソウル江南警察署は、出頭後の調査が終わった後も、報道陣がいるとして帰宅を拒否したキム・ホジュンを6時間以上も放置し、批判を浴びた。結局、当時のソウル警察庁長が江南署を叱責し、キム・ホジュンは正門から出なければならなかった。公式なフォトラインは設置されていなかったが、キム・ホジュンは報道陣が作った非公式なフォトラインの前で頭を下げた。

芸能人が「公人」であるかどうかは、依然として議論の対象である。「自由な魂」を持つ芸術家に対して、公人並みの厳しい道徳性を求めるのは理にかなっていないという指摘も続いている。

ただし、アイドルは「偶像」という意味を持つ。特にBTSは国連総会に世界の若者代表として出席し、希望のメッセージを発信したアイドルグループである。SUGAは「なぜアイドルが国連総会に出席するのか」という批判に対して、「SDGs(持続可能な開発目標)関連の広報のため、スピーカーとして多くの人に知らせるために出席した」と自身の信念を示した人物でもある。

そのSUGAが、もし誰にも知られずに非公開で調査を受けて帰宅していたらどうだっただろうか。事件発生から17日後に召喚され、フォトラインの前で「申し訳ない」と述べた2分の時間さえなかったならば、彼はファンや大衆に、心から反省する姿を見せる機会を失っていたかもしれない。SUGAに疑惑を問い、彼の立場を聞ける唯一の場所が、フォトラインだったからだ。【news1 ナム・ヘイン記者】

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