韓国の娯楽大手CJエンターテインメント(CJENM)が、アイドルオーディション番組での投票不正操作事件で服役したプロデューサーを再入社させていたことが判明した。この措置に対する批判が集中すると、同社は「挽回の機会を与えようとしたが、社会の目線に符合しなかった」と謝罪している。
問題視されたのは、番組のプロデューサーを務めたアン・ジュンヨン氏の処遇だ。CJENMが運営する韓国のケーブルテレビ「Mnet」のアイドルオーディション番組「PRODUCE 101」シリーズで投票を操作し、順位を変えたとされる。歌謡企画会社の関係者から風俗店で数千万ウォン(数百万円)相当の接待を受けたとされる。
アン・ジュンヨン氏は業務妨害や詐欺の罪で起訴され、最高裁で懲役2年が確定した。アン・ジュンヨン氏は服役し、2021年11月に刑期満了で出所した。アン・ジュンヨン氏はMnetをいったん退社したが、出所後1年5カ月となる今月3日に再入社した。
アン・ジュンヨン氏とともに「PRODUCE 101」シリーズで投票操作に関与した当時の総括プロデューサーだったキム・ヨンボム氏も懲役1年8カ月の実刑判決を受けた。2021年7月に刑期を満了し、昨年、同様にMnetに復帰していた。
CJENMは2人の判決確定後、処分を検討する人事委員会を開くと表明したが、その結果は公開しておらず、2人は解雇を免れていた。一部には、不正行為があったとはいえ「PRODUCE 101」が会社に貢献したという点を考慮に入れた結果との推測も出ている。
こうした状況に対して、外部では「身内をかばうのか」という非難が噴出している。CJENM内部でも批判が殺到し、「社内規定はどうなっているのか」と問い詰める人も出ているという。
CJENMは「採用基準に関連して不足していた点があったことを謙虚に受け入れ、再発防止に努める」と約束したものの、2人の進退については言及していない。
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