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韓国のインテリアプラットフォーム「オヌレチプ(今日の家)」が日本国内でのサービスを強化し、影響力の拡大に乗り出す。
「オヌレチプ」は昨年10月に日本向けサービス「O!House(オーハウス)」を開始し、送料無料を武器に存在感を示している。同社は沖縄や北海道を含む日本全国に、韓国の人気家具を送料無料で提供している。
O!Houseのコマースサービスは、日本に進出していない韓国ブランドの商品を現地で販売する「逆越境EC」方式で展開されている。家具・ファブリック・ホームデコ・照明など多様なカテゴリーの1万点以上の商品を販売している。これは同社が海外進出を宣言して以来、初のコマースサービスとなる。
「オヌレチプ」は2022年から本格的に海外市場へ挑戦し、同年7月から順次、日本、インドネシア、米国の3カ国で「O!House」を立ち上げた。サービス開始当初の「オヌレチプ」と同様に、コンテンツとコミュニティを中心に運営し、現地ユーザーの関心を集めた。その結果、O!Houseの利用者数は着実に増加し、昨年1年間でアプリの月間アクティブユーザー(MAU)はほぼ2倍に成長した。
コンテンツに強みを持つ「オヌレチプ」らしく、運営するSNSも多くのユーザーに影響力を与えている。「オヌレチプ」公式Instagramのフォロワー数は132万人を超えるとともに、日本のユーザー向けの「ohousejp」Instagramアカウントのフォロワー数も22万人を超えている。また、住まいに関する多様な映像コンテンツを提供する公式YouTubeチャンネルの登録者数は76万人に達し、最近では日本ユーザー向けのコンテンツ制作を強化し、オリジナルコンテンツ「全国ルーム自慢―日本版」を公開する予定だ。
「オヌレチプ」を運営する「バケットプレイス(Bucketplace)」は、韓国を代表するユニコーン企業だ。2014年、日常を共有するコンテンツとコミュニティとしてスタートし、2016年からコマースサービスを提供して急成長を遂げた。その後、顧客の住空間に関わるあらゆる体験をワンストップで改善できるよう、リフォーム、家具の直配送、引っ越しなど、住まいに関連するさまざまなサービス領域へ事業を拡大した。これまで培ったノウハウを生かし、最近では自社で企画・デザイン・製造まで手掛ける初の家具ブランド「Layer(レイヤー)」を発表した。
「オヌレチプ」アプリの累計ダウンロード数は3000万件を超え、累計取引額は2023年時点で5兆ウォン(約5500億円)を突破した。2022年には米CBインサイツが選出する「世界のユニコーンクラブ(Global Unicorn Club)」に選ばれ、2023年には英フィナンシャル・タイムズが発表する「アジア・太平洋地域の高成長企業 2023」で韓国のEC企業として1位にランクインするなど、成長性を認められている。
この高い成長可能性は、グローバル投資家の支持にもつながった。「オヌレチプ」は2022年5月、2300億ウォン(約250億円)規模の新規投資を誘致した。ソフトバンク・ベンチャーズをはじめ、韓国産業銀行、BRV Capital Management、シンガポールの政府系ファンドTemasek傘下のベンチャー投資会社Vertex Growthなど、多様な投資家が参加した。
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