韓国のSKハイニックスが、高速・大容量のデータ処理を可能にする最先端「HBM(広帯域メモリー)」である12層DRAM積層HBM3E(第5世代HBM)の初期サンプルを先月、米NVIDIAに供給したことがわかった。業界関係者が6日、明らかにした。昨年8月の8層製品のサンプル供給に続く成果で、NVIDIAとのAI半導体協力がより強固になるとみられる。
HBMは、複数のDRAMを垂直に積層し、データ処理性能を大幅に引き上げたメモリーだ。 現在、第4世代製品であるHBM3まで商用化されており、次世代であるHBM3Eは今年上半期の商用化が予想される。
HBM3Eは、DRAMをいくつ積層するかによって、8層(24GB)と12層(36GB)に分けられる。SKハイニックスの場合、8層HBM3Eは昨年下半期にサンプルを供給し、最近テストをパスした。公式的な日程は明らかされていないが、早ければ今月から量産が始まる模様だ。
さらに、SKハイニックスは先月、NVIDIAに12層HBM3Eサンプルを供給した。このサンプルは、極初期バージョンで、主に新規製品の標準および特性を確立するために活用される。
既に8層HBM3Eの性能検証を終えただけに、12層HBM3Eのテストに多くの時間はかからないとみられる。DRAMの積層数が増えたことによる一部のデバイス特性と信頼性検証さえ解決すれば良いと業界関係者はみている。
一方、世界のメモリー業界はAI半導体市場の急激な成長に伴い、NVIDIAや米AMDに高性能のHBM製品を供給するための競争が激しくなっている。
サムスン電子は先月27日、12層HBM3Eの開発に成功したと発表した。同社はこの製品に最先端の熱圧着非伝導性フィルム(TC NCF)を適用し、DRAM間の間隔を7マイクロメートルにすることに成功した。
米マイクロン・テクノロジーは先月26日、8層HBM3Eの大量生産を開始したと発表した。最先端10ナノ級DRAMを適用したのが特徴で、マイクロンは「自社の8層HBM3Eはライバル社の製品に比べて電力効率が30%優秀だ」と強調したことがある。
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