2026 年 2月 8日 (日)
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韓国SKテレコム、通信からAI中枢へ…「Claude」出資と巨大GPUクラスタで未来を握る

ソウルにあるSKテレコム本社(c)MONEYTODAY

韓国の通信大手SKテレコムが、移動通信会社からAI企業へと大きく舵を切っている。生成AI「Claude」の開発元である米人工知能(AI)開発新興「アンソロピック」への出資に加え、政府主導の「独自AIファウンデーションモデル」プロジェクトで示した技術力により、対外的な評価も様変わりしてきた。

アンソロピックは3日(現地時間)、自社AIの業務向けモード「Claude Co-Work」に、法務、営業、マーケティング、データ分析業務を自動化するプラグインを追加したと発表した。契約書レビューや秘密保持契約の分類・検索・要約・分析まで自動化できるという。これにより、トムソン・ロイターやS&Pグローバルといったデータ分析企業の役割が相対的に縮小し、アンソロピックの企業価値はさらに高まるとの見方が出ている。

こうした活躍を受け、SKテレコムの先見性も再評価されている。同社は2023年にアンソロピックへ1億ドルを投じ、約2%の株式を取得した。当時の企業価値は50億ドル規模だったが、現在は約3500億ドルとおよそ70倍に膨らんだ。ただし、その後の増資で持ち分は2025年上半期時点で0.7%まで希薄化している。

韓国投資証券のアナリストは「最近の250億ドル規模の追加投資で持ち分は0.58%まで下がる見通しだが、企業価値の急騰を考慮すれば、保有株式の評価額は約3兆ウォンに達する」と分析する。

アンソロピックとの連携は、SKテレコムのAI性能向上にも寄与すると期待される。もともと同社は、通信データに特化した大規模言語モデル(Telco LLM)の共同開発と海外展開を視野に入れ、出資を決断した。

最近では、政府主導の独自AIファウンデーションモデル開発プロジェクトで「3強」に入ったことが、自社AI技術を証明する契機となった。短期間で519B(5190億)パラメータ級の超大型モデル「A.X K1」を開発し、LG AI研究院やアップステージとともに2次評価対象に選ばれた。NAVERやカカオといったビッグテックを抑えての成果だけに、業界の注目を集めた。

SKテレコムは数年前からAI企業への転換を進めてきた。2025年8月にはソウル・加山のAIデータセンターに、エヌビディアの最新B200を基盤とする超大型GPUクラスター「ヘイン」を構築。同時期に、原子力発電所1基分に相当する規模の蔚山AIデータセンター建設にも着手した。さらに同年10月、エヌビディアとSKグループのAIファクトリー協力の一環として、RTXプロ6000ブラックウェルGPUを2000枚以上導入した。

アンソロピック以外にも、2024年にはグローバルAIデータセンター設計企業のペンギン・ソリューションズに2億ドル、AI検索スタートアップのパープレキシティに1000万ドルを投資した。

こうした動きを背景に、SKテレコムがSKグループ全体のAX(AI転換)を支えるインフラ企業であり、フィジカルAI分野を代表する事業者へ成長するとの見方が広がる。フィジカルAIの普及には超低遅延・超高信頼のネットワークが不可欠で、その前提となるのが5G SA(単独モード)の本格展開だ。株価もこの変化を映し、年初来で約46%上昇した。

証券アナリストは「フィジカルAIを巡り、世界各国が5G SA導入競争を繰り広げている。2026年に料金体系の再編が進み、SKテレコムの独自AIモデルが最終選定され官公庁を中心に導入されれば、その影響は小さくない」との見通しを示している。

(c)MONEYTODAY

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