韓国ネット大手ネイバー(NAVER)のチェ・スヨン代表が就任後に導入した新サービスが急成長を遂げ、同社の史上最高実績を牽引している。特に人工知能(AI)技術を活用したサービスの進化が、持続的な成長への期待を高めている。
チェ代表が指揮したショートフォーム動画サービス「Clip(クリップ)」は第3四半期に月間平均日次再生回数が前期比50%増加し、1人当たりのデイリー再生回数は年初から81%成長した。さらに、Clipのリリース1周年にあたる8月時点では、一日の利用者数とコンテンツ生産量が前年同期比で4倍増加した。
また、昨年11月にリニューアルされたネイバーのモバイルアプリも成功例として評価されている。ホーム画面でスクロールすることでブログやカフェ、Clipなどの多様なカスタマイズコンテンツを楽しめる「Home Feed(ホームフィード)」が導入され、10月時点でコンテンツのクリック数が年初比130%増加した。
こうしたサービス改良がもたらした成果として、ネイバーアプリの1日当たり平均滞在時間は前年より10%以上増加し、広告収入も伸びた。第3四半期の検索プラットフォーム売上高は9977億ウォン(約997億円)で、前年同期比11%増加。10四半期ぶりに2桁成長率を達成した。
さらに、チェ代表はサービス領域の拡大にも積極的に取り組み、5月に開始したゲームストリーミング(中継)プラットフォーム「CHZZK(チジク)」が好調だ。同サービスの月間アクティブユーザー数(MAU)は200万人を超え、その84%が10~30代と若年層への浸透にも成功した。同様に、新しいリアルタイムチャット型コミュニティサービス「オープントーク」も、30代以下のMAUが前年比75%増加した。
IT業界関係者は「CHZZKとオープントークはネイバーに若々しいイメージを与え、チェ・スヨン代表の経営リーダーシップの成果が明確に現れている」と述べている。
さらにネイバーは、Netflixとの提携でメンバーシップエコシステムの拡大にも取り組んでいる。ネイバーメンバーシップの加入者に対し、Netflixを無料で視聴できる特典を提供し話題を呼んだ。
来年には新ショッピングアプリ「ネイバープラスストア」のリリースも予定されており、AIによるショッピング提案機能やユーザー生成コンテンツ(UGC)との融合が期待されている。
ネイバーは検索やショッピング、地図などの主要サービスにAI技術を統合する計画を発表している。サムスン証券のオ・ドンファン研究員は「主要サービスのリニューアルが売上増加率の回復につながっており、実績改善により評価額の回復も期待できる」と分析している。
(c)news1