2026 年 3月 3日 (火)
ホームライフスタイル韓国MZ世代の卒業式…30万ウォンの個人スナップと“人生4カット”に見る写真文化の変化

韓国MZ世代の卒業式…30万ウォンの個人スナップと“人生4カット”に見る写真文化の変化

ソウル大学(c)news1

「最近の若者」という一言では語れない変化が、卒業式の風景にも広がっている。韓国のMZ世代は今、どのような形で節目を記録しているのか。

2月25日午前、ソウル市内で開かれたソウル大学の卒業式。25歳の卒業生は、1週間前に依頼していたカメラマンと正門前で待ち合わせた。

あいさつを済ませるとすぐにフォトスポットへ。カメラマンから「もう少し首を傾けてください」「腰を少しひねってみてください」と細かな指示が飛び、シャッター音が響く。

この卒業生は「他の人に撮影を頼まなくて済み、撮影に集中できるのが楽。プロなのでレタッチも上手で、良い思い出になると思った」と話す。

◆卒業式に“個人スナップ”が定番化

この日、正門前には卒業生や家族に加え、カメラを構えたスナップ写真家が多数集まっていた。

36歳の写真家は「複数の大学の卒業式が重なり、予約は満杯。午後は別の大学へ急いで移動する」と語る。

自然な表情や瞬間を切り取るスナップ撮影は、もともと結婚式や誕生日など家族行事が中心だった。だが最近は、卒業式で個別に依頼する若者が急増しているという。

人気カメラマンは予約がすぐ埋まり、少なくとも2カ月前には日程確保が必要だ。費用は平均18万~30万ウォン(約1万9800円~約3万3000円)。

26歳の別の卒業生は「卒業は特別な日なので、きれいな写真を残したい。SNSに特別な瞬間を投稿したい気持ちもある」と語る。

「学内の好きな場所で、思う存分ソロ写真を撮れるのが魅力。友人や家族が撮るのとは仕上がりが違う」と満足げだ。

費用を抑えたい学生にはセルフ写真ブース「人生4カット」も人気だ。料金は一般的に4000~5000ウォン(約440円~約550円)。

卒業式当日、大学周辺のブース前には長い列ができていた。

◆卒業アルバム離れ…背景にディープフェイクへの不安

その一方で、卒業アルバムの購入者は減少傾向にある。

23歳の卒業生は「大学では親しい友人とだけ交流することが多く、知らない人まで一冊にまとめる意味があるのか疑問」と話す。

さらに「最近は卒業アルバムの写真がディープフェイク犯罪に悪用される事例があると聞き、不安を感じる」と打ち明けた。

淑明女子大学消費者経済学科教授は「決まったポーズではなく、学内を巡りながら自分だけの思い出を残すのは“価値投資”といえる」と分析する。

「個人主義的な文化の中で、画一的な卒業アルバムよりも、自分の望む形で記録を残そうとする傾向が強まっている」と指摘した。

そのうえで「卒業アルバムは仲間との絆を象徴する記録でもある。形式は変わっても、卒業の瞬間を写真に残したいという文化そのものは続いていくだろう」と述べた。

(c)MONEYTODAY

RELATED ARTICLES

Most Popular