
「韓国型パトリオット」である中距離地対空誘導ミサイル「天弓Ⅱ」(M-SAM2)のイラク輸出をめぐり対立していた防衛産業大手LIGネックスワンとハンファグループがこのほど合意に達し、近く契約を締結する見通しとなった。
同事業の主契約企業であるLIGネックスワンは、ハンファエアロスペース、ハンファシステムと共にイラク輸出に関する国内契約を結ぶ方向で調整を進めている。
天弓Ⅱは、航空機だけでなくミサイルも迎撃できる国産の防空システムであり、LIGネックスワンがミサイル本体と統合システム、ハンファエアロスペースが発射台と車両、ハンファシステムが搭載用レーダーをそれぞれ担当している。
今回の契約は、2023年9月にLIGネックスワンがイラク国防当局と単独で締結したもので、契約額は28億ドルに上り、同年最大規模の防衛装備輸出案件となった。
しかし、契約直後からハンファ側が「価格や納期などの協議なく一方的に締結された」として不満を示し、両社間に摩擦が生じた。特に納品価格を巡る調整で対立が激化し、2024年2月には防衛事業庁が介入して両社を仲裁するも、当時は具体的な打開策が見出せなかった。
その後、両社は数カ月にわたり協議を重ね、ようやく立場の違いを埋めたとされる。
ハンファシステムの関係者は「早期に契約を締結できるよう協力している」と明らかにし、LIGネックスワンの関係者も「主契約者として納期の順守と品質の確保を最優先とし、ハンファを含めた関係企業との連携を継続する」とコメントした。
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