世界最大のテクノロジーの見本市「CES」に際し、韓国LG電子が「LGワールドプレミア」でAIを「共感知能」(Affectionate Intelligence)として再定義し、新たな顧客体験のビジョンを発表した。従来の製品発表にとどまらず、AIがどのように日常生活に溶け込むかを演劇形式で紹介する革新的な方法を採用した。
LG電子のチョ・ジュワン最高経営責任者(CEO)はラスベガスで開催されたイベントで「製品やサービスが生活のさまざまな場面でシームレスに結びつく総合的な体験こそが、共感知能の差別化された顧客価値であり、他のAI技術との差異を生む」と強調した。
LG電子のビジョンは、AIが家や車、商業空間、さらには仮想空間までも結びつけ、24時間にわたり顧客の生活に寄り添うというものだ。この実現の中心には「LGフュロン(FURON)」と呼ばれるAIエージェントを搭載したAIホームハブがある。フュロンは、大規模言語モデル(LLM)とリアルタイムの空間センシング、顧客の生活パターンデータを組み合わせたソフトウェアで、状況や文脈に応じてデバイスやサービスを制御する。
LG電子はその実例として、家族の1日をAIがどのようにサポートするかを描いた演劇を披露した。
たとえば、夜間に咳をしている男性のために部屋の温度を調整したり、スケジュールが空いている午後には母親の病院検診に同行することを提案したりする場面を見せた。車内でもAIがコーヒーを勧めたり、緊張を和らげる音楽を再生したりするなど、共感知能が生活に自然に溶け込む姿を描写した。
さらに、LG電子はマイクロソフト(MS)との戦略的パートナーシップを発表している。両社のAI技術と製品インフラを組み合わせることで、顧客のニーズや好みを予測できる新しいAIエージェントの開発を進める。
(c)news1