
韓国の大手家電メーカーLG電子は、モニター製品にサムスンディスプレイの量子ドット(QD)有機EL(OLED)を採用する案を検討していることが判明した。LG電子はこれまでサムスンディスプレイからノートPC向けのRGB OLEDは供給を受けてきたが、大型ディスプレイ製品であるQD-OLEDを納品された事例はなかった。
メガ・ニュース(MEGA News)のイ・ギジョン記者の取材によると、LG電子はサムスンディスプレイからモニター用の27インチ・240Hz・UHD(4K)QD-OLEDの供給を受ける案を協議している。まだ確定してはいないが、早ければ2026年第4四半期にサムスンディスプレイがLG電子に納品する可能性がある。
サムスンディスプレイは27インチ・240Hz・UHD QD-OLEDを2025年上半期から量産している。サムスン電子やASUS、MSIなどがこのパネルを採用したOLEDモニターを発売した。
LG電子とサムスンディスプレイがモニター用QD-OLEDの供給を協議しているのは、両社の利害が一致した結果とみられる。ある業界関係者は「LG電子はOLEDモニターパネルの供給網を安定的に確保でき、サムスンディスプレイはモニターOLEDの顧客を増やせる」と評価した。
サムスンディスプレイとLGディスプレイは大型OLED技術で主に狙う市場が異なる。サムスンディスプレイはQD-OLEDでテレビよりモニターに、LGディスプレイはホワイト(W)OLEDでモニターよりテレビに注力している。
サムスンディスプレイのQD-OLED出荷量は2025年、テレビ用100万台、モニター用250万台(市場調査会社AVCリーボ集計)など計350万台と推定される。LGディスプレイの2025年のW-OLED出荷量はテレビ用570万〜580万台、モニター用80万台(AVCリーボ集計)など計650万〜660万台と推定される。
サムスンディスプレイのQD-OLED生産能力は、第8.5世代ガラス基板投入基準で月48K(4万8000枚)とされる。LGディスプレイのW-OLED生産能力は坡州(パジュ)と広州のOLED工場を合わせて月180K(18万枚)だ。
サムスン電子もLGディスプレイとモニター用W-OLEDの供給を協議している。サムスン電子はこれまでLGディスプレイからテレビ用W-OLEDは供給を受けてきたが、モニター用W-OLEDはまだ供給を受けていない。
一方、LG電子は2023年からサムスンディスプレイより14インチおよび16インチのOLEDノートPC「グラムスタイル」向けRGB OLEDの供給を受けている。この製品はサブピクセルを蒸着する際にファインメタルマスク(FMM)を使用する中小型RGB OLED技術を採用している。LG電子がOLEDノートPCを発売したのも、サムスンディスプレイがLG電子にOLEDを供給したのも、この時が初めてだった。この製品にはサムスンディスプレイのリジッドOLEDが使用されている。
LGディスプレイがAppleのiPhoneやApple Watch、車載ディスプレイなどに採用しているOLEDはフレキシブルOLEDだ。フレキシブルOLEDラインでもポリイミド(PI)基板を作る工程などを省けばリジッドOLEDを製造できるが、製造コストを合わせるのが難しい。サムスンディスプレイはサムスン電子のGalaxy SシリーズなどのフラッグシップスマートフォンやAppleのiPhone向けOLEDをフレキシブルOLEDラインで生産している。
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