韓国の格安航空会社「ティーウェイ航空」の機長が、離陸前にブレーキの摩耗を確認して交換を要求したが、会社側は安全運航に問題がないと判断したため離陸を求めた。機長は最終的に運航を中止したため、15時間の遅延が発生した。その後、会社は機長を停職処分とする一方で、規定の運用が不明確だったことが指摘されている。
ティーウェイ航空の操縦士機長は今年1月、ベトナムのニャチャン空港で、離陸前にブレーキパッドの摩耗状態を示す「インジケーターピン」の長さが社内規定に満たないことを確認し、ブレーキの交換を会社に要求した。昨年10月11日に制定された「運航技術公示23-49」によると、インジケーターピンの長さが1mm以下の場合、ブレーキを交換することが定められている。このときピンの長さは0.8mmだった。
しかし、ティーウェイ航空側は「安全運航に問題はない」として離陸を求めた。だが、機長は最終的に運航中止を決断した。これによりフライトが15時間遅延し、ティーウェイ航空は乗客に不便を与えたことを理由に機長に5カ月の停職処分を下した。
ただ、この社内規定は厳密に運用されていなかったことが指摘されている。実際にティーウェイ航空では、1mm以上ピンが残っているにもかかわらずブレーキを交換したケースもあり、規定の運用が不明確であった。現在、この問題は労働委員会や裁判所で争われており、ティーウェイ航空は今後の判決結果をもとに対応を検討するとしている。
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