2025 年 9月 28日 (日)
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韓国LCC、機材戦略で二分…単一化で効率 vs 多様化で差別化

9月6日、金浦国際空港に到着したパラタ航空の2号機A320-200(c)news1

韓国で新たな格安航空会社(LCC)「パラタ航空」が9月30日に就航することで、定期便を持つ国内LCCは計9社となる。すでに飽和状態とされる市場で各社がどのような機材戦略を取るかが注目されている。

従来は機材を単一化して運航効率を高めるのがLCCの基本戦略だったが、近年は長距離路線への進出を見据え、多様な機材を導入する動きも強まっている。

パラタ航空は2025年7月に長距離対応のA330-200を1号機として導入したのに続き、9月は中短距離向けのA320-200を受領した。年内にさらに2機を追加し計4機体制とし、まずは国内線(襄陽~済州)から日本やベトナムへ進出し、2026年には北米路線を目指す。新興LCCが当初から大型機と小型機を併用するのは異例で、競合が集中する短距離市場だけでは採算が厳しいとの判断がある。

こうした機材多様化の先例はティーウェイ航空だ。2022年にA330-300を投入して豪州や欧州に進出、2024年には大韓航空からA330-200を譲り受けた。2025年はLCCとして初めてファーストクラスを備えたB777-300ERを導入するなど、大型機を積極的に増やしている。2026年からは燃費性能を高めたA330-900も導入予定。

一方、依然として多数派は機材単一化戦略だ。済州航空やイースター航空はボーイング737シリーズを、エアプサンやエアソウルなどはエアバスA320シリーズを中心に運航し、中短距離路線に集中してコスト削減を図っている。

ジンエアーは両戦略を併用しており、2026年からはエアバスA321neoを新規導入して多様化を進める一方、長距離用に保有してきたB777-200ERはリース終了に合わせて返却し、整備費削減を狙う。統合LCC設立を控え、エアプサンやエアソウルとの機材共通化を図る動きとも連動している。

(c)news1

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