
韓国の放送通信行政が深刻な空白状態に陥っている。KBSやMBCなど主要放送局を含む146のテレビチャンネルが、2024年末に放送許可の期限を迎えたまま、2025年10月現在も無許可状態で放送を続けている。背景には、旧・放送通信委員会(放通委)の廃止と、新たに発足した放送メディア通信委員会(放メ通)の委員会構成が未了という制度的空白がある。
放通委は2025年10月1日をもって解体され、その業務は新設の放メ通に引き継がれた。しかし、放メ通は委員長および7人全員で構成される委員会メンバーがいまだに任命されておらず、政策の審議・議決ができない状態が続いている。これにより、放送局の再許可審査をはじめ、規制・制裁措置、関連法改正など、多数の懸案事項が停滞している。
実際、KBS1、MBC、EBSなど12事業者の146チャンネルは、2024年末に放送許可が満了して以降、制度上の手続きが滞っているため、「本意ではないが」無許可状態のまま放送を続けている。このままでは、年末に再認可審査を控えるJTBCなどにも影響が及ぶとみられる。
さらに、グーグルやアップルに対して課されたアプリ内課金(インアプリ決済)に関する課徴金の処理、廃止された「端末流通構造改善法」の後続措置、人工知能(AI)活用コンテンツに関する利用者保護制度なども、審議されずに先送りされている。
2023年には、グーグルに475億ウォン、アップルに205億ウォンの課徴金が決定されたが、これも委員会不在のため審議入りすらできず、再度の売り上げ基準算定に留まっている。2025年の推定では、それぞれ420億ウォン、210億ウォンとされる。
加えて、OTT(オンライン動画サービス)政策の主管部処をどこに定めるかも未決のままだ。放メ通の職務代理であるパン・サングォン報道官は「メディア発展民官協議会で議論を継続する予定」と述べた。
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