2026 年 1月 8日 (木)
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韓国KAIST、電極表面の超薄膜設計で寿命の大幅延長に成功…無負極リチウム電池に商用化の突破口

KAIST提供(c)news1

韓国科学技術院(KAIST)の研究チームが、電解液の変更ではなく、電極表面に厚さ15ナノメートルの超薄膜高分子層を導入することで、電池寿命の大幅な改善に成功した。エネルギー密度が従来のリチウムイオン電池を大きく上回る次世代バッテリー「無負極リチウム金属電池」の商用化に向けた大きな一歩が踏み出された。

KAIST生命化学工学科のイ・ジヌ教授、イム・ソンガプ教授の研究チームは4日、界面の不安定性によって寿命が極端に短くなる問題を、電極表面設計で根本的に解決したと発表した。

無負極リチウム電池は、負極に炭素材料などを用いず、単に銅集電体のみで構成されるシンプルな構造が特徴。従来比で30~50%高いエネルギー密度を持ち、製造コストの削減や工程の簡素化にもつながるとされる。

だが、初回充電時にリチウムが直接銅表面に析出することで、電解液の急速消耗や不安定な保護膜(SEI)の形成が起き、性能劣化を招いていた。

研究チームは、従来のように電解液組成を変えるのではなく、iCVD(開始剤誘導型化学気相成長)法により、電極表面に均一な超薄膜高分子層を形成。これにより、リチウムイオンの移動経路や電解液の分解挙動を精密に制御できるようになったという。

従来は、有機溶媒の分解によって不安定な有機系保護膜が形成され、樹枝状結晶(デンドライト)の発生原因となっていたが、今回の高分子層は電解液と混ざりにくく、代わりに塩(Li塩)成分の分解を誘導。これにより安定した無機保護膜が形成され、電解液の消耗や過剰な膜成長を抑制できた。

(c)news1

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