2026 年 3月 3日 (火)
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韓国KAI新社長選任できず…大型防衛プロジェクトを抱えたまま新体制先送り

(c)news1

韓国航空宇宙産業(KAI)の新社長選任が、「天下り人事」論争を受けて見送られた。韓国型戦闘機KF-21の空軍引き渡しや小型合成開口レーダー(SAR)衛星事業など重要課題を抱える中、8カ月続くトップ不在の解消は実現せず、経営空白の長期化が懸念されている。

KAIは2月25日に取締役会を開き、前防衛事業庁無人事業部長のキム・ジョンチュル氏を新社長に選任する議案を審議する予定だったが、議案の上程自体を見送った。会社関係者は「議案は取締役会に上げられなかった」と説明している。

背景には労働組合の強い反発がある。労組側は同氏がイ・ジェミョン(李在明)大統領の大統領選キャンプ出身者だとして「恩返しの天下り人事だ」と批判。航空宇宙分野の専門経営者が必要だと主張し、取締役会開催に合わせて抗議活動を展開した。

キム・ジョンチュル氏は空軍士官学校出身で、空軍退役後に防衛事業庁で戦略企画や無人機事業を担当してきた経歴を持つ。一方で労組は、航空技術や企業経営の実務経験が不足していると指摘。防衛事業庁出身者の起用は競合他社からの異議申し立てにつながる可能性や、側近人事が進む懸念もあると反対理由を挙げている。

KAIは政権交代のたびに経営陣が大幅に入れ替わる傾向があり、事業の連続性が損なわれるとの指摘も出ている。業界関係者は「事業を主導してきた人材が退き、専門性の薄い外部人材が入れば、プロジェクト推進に支障が出る構造だ」と語る。

トップ人事が先送りされたことで、経営空白への不安は続く見通しだ。KAIは2026年下半期にKF-21「ボラメ」20機を空軍に引き渡す計画で、武装の国産化や輸出対応も進める必要がある。

加えて、総事業費約1兆4000億ウォン(約1540億円)規模の小型SAR衛星40機打ち上げ計画でも受注競争が控える。重要案件が山積する中、リーダーシップ不在が事業推進や契約締結に影響を及ぼす可能性も否定できない。新体制の早期確立が課題となっている。

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