韓国で秋夕(チュソク)の節句を控え、食品・外食業界が政府の値上げ自制要請に協力する意向を示した。ただ、原乳価格の引き上げやオリーブ油、鶏肉など原材料の値上がり、配達アプリ費用の増加など多くの価格圧迫要因が積もっており、業界側の悩みは深い。
8月の消費者物価上昇率は加工食品6.3%、外食5.3%と全体の3.4%を上回っている。
農林畜産食品省のハン・フン次官は8日、ソウルの韓国食品産業協会で食品(12社)・外食業界(10社)との懇談会を開き、政府の物価安定努力に協力するよう求めた。
食品・外食業界は下半期に値上げをしないか、たとえ値上げしても引き上げ幅を小さくするなどして協力する姿勢を見せた。ただ、どれだけ耐えられるかが問題だ。
原乳の今年の基本価格は1リットル=88ウォン(1ウォン=約0.11円)値上がりした1084ウォンで最終決定された。ソウル牛乳協同組合は10月から牛乳1リットル製品の出庫価格を大型ディスカウントストアで3%引き上げる。原乳価格の上昇率は8%台だが、出荷価格の引き上げ幅は抑えた。
今夏の干ばつでオリーブオイル生産の半分近くを占めるスペインで価格が急騰。ある外食業者関係者は「オリーブオイルが供給量の減少で4倍以上上がった。急上昇した原料費の負担に苦しんでいる」と話した。
チキン業界は価格引き下げには鶏肉価格の安定が必要だと口をそろえる。ところが最近、飼料価格が安定しているのに、1キロ当たり1500~1700ウォンだった鶏肉が3200ウォン台まで上がったという。
政府は企業の原価負担緩和のため、必要に応じて割り当て関税品目を拡大し、免税農産物などに対する買入税額控除の限度額を引き上げるなど対策を検討している。
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