
韓国防衛産業大手4社の2026年売上高は、前年比18%超増の約48兆ウォン(約5兆1024億円)に達するとの見通しが出た。ロシアのウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の不安定化を背景に、各国が国防費を拡大していることが追い風となっている。
金融情報会社エフアンドガイドによると、2026年の国内防衛産業4社の売上高コンセンサス(証券各社予想の平均)は計47兆9147億ウォン(約5兆933億円)で、2025年(40兆4501億ウォン=約4兆2998億円)比18.5%増となる見込みだ。
企業別では、ハンファ・エアロスペースが30兆5863億ウォン(約3兆2513億円)、現代ロテムが6兆9628億ウォン(約7401億円)、韓国航空宇宙産業(KAI)が5兆5505億ウォン(約5900億円)、LIGネクスワンが4兆8151億ウォン(約5118億円)と予想される。
ポーランド向けK2戦車やK9自走砲など大型案件の納入・売り上げ計上が2026~2027年に集中する見通しで、成長を後押しする。4社の受注残高は2025年末時点で100兆ウォン(約10兆6300億円)を超えると推定され、長期大型プロジェクトが中心のため、数年間の安定的な売り上げ基盤を確保したと評価されている。
主なターゲットはポーランド、サウジアラビア、ルーマニアなどだ。現地生産や「ワンチーム」戦略を通じて受注競争に挑む。販売地域は欧州・中東にとどまらず、米国市場にも拡大する可能性がある。
ハンファ・エアロスペースは年内にポーランドとK9自走砲の第3次契約締結を目指し、維持・整備・補修(MRO)を含む長期収益を見込む。サウジアラビアともK9やレッドバック歩兵戦闘車を含むパッケージ輸出を狙う。
現代ロテムはポーランドとのK2戦車第3次契約、ルーマニアとのK2契約をそれぞれ進める方針。KAIはイラク向けスリオン輸出契約やエジプトとのFA-50軽攻撃機輸出交渉を続け、米ロッキード・マーティンと協力して米海軍次世代高等訓練機事業にも挑む。LIGネクスワンは誘導ロケット「ビグン」の対米輸出やサウジアラビアでの現地生産協議を進めているとされる。
一方で、低価格と現地化を武器に攻勢を強めるトルコやインドネシアとの競争激化を懸念する声もある。業界関係者は「両国の価格競争力と現地生産戦略は、韓国企業の価格・納期優位を脅かしかねない」と指摘し、東南アジアや中東市場での競争は一段と激しくなるとの見方を示した。
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