韓国の防衛産業の新たな輸出対象国にインドが浮上した。インドはこれまでロシアへの兵器依存度が高かったが、ウクライナ侵攻で兵器の供給が困難になった。このため新市場としてインドに、ハンファを筆頭にした韓国防衛産業界が注目しているのだ。
業界関係者によると、ハンファ・エアロスペースはインド陸軍の未来型歩兵戦闘車事業に参加する方針を固めた。インド陸軍の老朽化した旧ソ連製歩兵戦闘車2600台余りを入れ替える事業だ。これを契機にハンファ・エアロスペースはインド陸軍の軽戦車導入事業にも参加を予定している。
インドはいまや世界最大の兵器輸入国となった。ストックホルム国際平和研究所によると、インドはこれまで兵器の45%をロシアから輸入していた。この5年間、インドが輸入したロシアの兵器は130億ドル(約1兆8720億円)規模に上り、K9自走砲などを輸出する韓国は3%で4位となっている。
インド政府は2023年度の国防費予算を5兆9400億ルピー(約10兆3290億円)と前年より13%増やした。中国やパキスタンとの国境地帯の緊張感が高まっているためだ。米国をはじめとする世界の防衛産業メーカーはインドへの進出を図っており、インドはドイツやフランスなどと兵器購入交渉を進めている。
それでも韓国の業界は「インドは進出すべき魅力的な市場だ」と口をそろえている。ハンファ・エアロスペースはインドへの潜水艦用リチウムイオンバッテリーの輸出を積極的に模索している。ハンファを基点に韓国航空宇宙産業(KAI)や現代ロテムなど他の防衛産業メーカーもインド進出を狙っている。
業界関係者は「インドがアジアで核心的な位置を占めており、防衛産業企業にとっては進出すべき市場だ。ただインドの政策的特性上、現地生産など現地化戦略に優先順位を置かないと成果は得にくい」と話している。
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