2025 年 3月 6日 (木)
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韓国防衛産業、東欧市場で拡大の可能性…ウクライナ侵攻終わっても「防衛産業特需」

トランプ米大統領(c)Reuters/news1

ロシアのウクライナ侵攻の終結後も、韓国の防衛産業の特需は続くとみられる。アメリカがヨーロッパの安全保障を各国の責任とする姿勢を強める中、ロシアと国境を接する東欧諸国の防衛需要が高まっている。トランプ米大統領は、ウクライナの戦後平和維持軍の設立や防衛負担の増加を欧州諸国に求め、新たな市場が生まれつつある。

トランプ政権は、欧州の独自の安全保障確立を基本方針とし、戦後のウクライナには多国籍の平和維持軍を配備すべきとの立場を取る。欧州主要国はロシアの再侵攻に備え、3万~4万人規模の部隊派遣を検討している。フランスのマクロン大統領は自主防衛の重要性を強調し、イギリスのスターマー首相も「欧州は独自の安全保障ニーズを満たすため、よりいっそう努力すべきだ」と述べた。

また、トランプ政権はNATO(北大西洋条約機構)加盟国に対し、防衛費をGDPの5%まで引き上げるよう要求している。現在、欧州NATO加盟国の防衛費はGDPの2.22%にとどまり、一部の国では2%未満となっている。米ブルームバーグ通信の試算では、欧州は防衛費と対ロシア抑止力の維持に今後10年間で約2兆7000億ドルを費やす必要がある。

一方、東欧諸国は防衛強化の必要性を認識しつつも、財政的に厳しい状況にある。NATOによると、2024年時点でポーランド、ルーマニア、ハンガリー、スロバキア、チェコ、バルト三国の防衛費総額は約633億ドルに過ぎない。そのため、価格性能比に優れた韓国製兵器が注目されている。例えば、ドイツ製PzH2000自走砲が1門あたり1840万ドルなのに対し、韓国製K9自走砲は1132万ドルと約60%の価格で提供される。

また、韓国の防衛産業は納期の短さと迅速な供給対応力にも強みを持つ。欧州の防衛企業が生産能力の拡大に苦慮する中、韓国企業は短期間で大量納品を実現している。特に、K2戦車、K9自走砲、多連装ロケット「天武」、地対空ミサイル「神弓」、軽攻撃機FA-50などがNATO標準に適合し、高い関心を集めている。

しかし、韓国製兵器の市場拡大に対し、フランスを中心とする欧州諸国は警戒を強めている。マクロン大統領は「欧州自身の防衛産業を強化しなければ、主権と独立を確保できない」と述べ、EUは2030年までに域内生産比率を20%から50%に引き上げる方針を示している。

こうした圧力に対応するため、韓国は以下の戦略を推進する必要がある。まず、現地生産の拡大として、ポーランド政府と防衛技術研究開発センターの設立に合意し、「天武」の現地生産を計画している。次に、軍事調達資金不足の東欧諸国に対し、韓国政府や企業が金融支援を提供する。そして、技術移転と共同開発を進め、ウクライナの航空エンジン技術を活用し戦闘機やドローンなどの次世代兵器開発を図る。

(c)MONEYTODAY

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