韓国野党「共に民主党」の若手政治家として注目されていたキム・ナムグク議員が、不公正な暗号資産(仮想通貨)への投資で大儲けしていた疑惑が浮上し、国民に謝罪してこのほど離党した。韓国では住宅価格の高騰や就職難に苦しむ20~30代の多くが暗号資産で損失を出しているだけに、その怒りはひときわ大きい。
同党のキム・ハンジョン議員室によると、暗号資産の投資家は昨年時点で558万人おり、そのうち20~30代が55%を占める。今回の問題について失望と怒りは即座に現れた。韓国ギャラップが9~11日に実施した世論調査結果では、青年層の民主党支持率は約10%急落した。
広告会社の会社員(26)は「青年たちが株や暗号資産への投資の失敗で苦しんでいる時、『青年』を強調していた国会議員が大金を稼いでいたとは。不動産投資できない青年たちのよりどころだった暗号資産の公正性への信頼が崩れた」と話した。
キム議員が昨年1~2月に80万個余り(当時価値60億ウォン=約6億1400万円)を保有していた暗号資産がウィミックス(WEMIX)だったことへの怒りも大きい。
2020年10月に上場されたウィミックスは「ゲームをしながら稼げる」という触れ込みで一時は時価総額が3兆5600億ウォン(約3640億円)に達した。しかし、昨年1月、大量流動化が問題になり、12月に上場廃止された。この過程で多くの青年が莫大な被害を受けたとされる。
女性会社員(28)は「ラーメンだけを食べ、穴があいた靴を履くという議員の過去の発言にだまされたようで腹が立つ」と話し、別の女性も(29)も「意図的にそのようなイメージを作ってきたのなら本当に偽善的だ。支持率のために『貧乏コスプレ』をするから裏切られた感じが一層強い」と声を高めた。
離党で終わらず捜査機関の捜査に誠実に臨まなければならない――というのが全員の一致した意見だ。
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