
韓国造船業界が、米国に続きインドとの協力関係構築に注力している。業界では「ピークアウト(成長の頭打ち)」の懸念が高まる中、新たな市場を求めて次の成長動力の確保に動いている。
インド政府は韓国に接近しつつ、自国造船産業への大規模投資を本格化しており、両国関係の深化とインド市場拡大への期待感が広がっている。
韓国業界によれば、2024年末にインド政府関係者が来韓して以降、現地との連携は加速している。インド港湾・海運・水路次官らがHD現代、ハンファオーシャン、サムスン重工業の造船所を訪問し、韓国の技術力を直接確認した。
HD現代は今月、インド最大の国営造船所コーチン造船所(CSL)と業務協約(MOU)を締結。設計や資材調達の支援、人材・技術力強化などにより、今後の共同受注を目指す。
ハンファオーシャンも現地を訪れ、インド政府関係者と面会、ヒンドゥスタン造船所(HSL)などの現場を訪れ、具体的な協力策を探っている。業界関係者は「インド政府が造船業の再興に本腰を入れている状況を注視しながら、さまざまな協力の形を模索している」と語る。
韓国がインドと協力を強める主な理由は、新たな市場での需要創出にある。韓国造船業は、新型コロナ以降の海運好況で“スーパーサイクル”に入ったが、最近ではその成長に陰りも見え始めている。
実際、英クラークソン・リサーチの調査によれば、2025年上半期の世界船舶受注量は1938万CGT(標準船換算トン数)で、前年同期比54%減。今の受注残が尽きる3年後には、業績悪化の可能性もある。
その中で、インドは2030年までに世界10大造船国、2047年までに5大造船国入りを目標に掲げ、造船・海運力強化に国を挙げて取り組んでいる。インド政府は2040年までに原油運搬船112隻を約100億ドルで自国造船所に発注する予定だ。
さらに、沿岸5地域に合計1万5000エーカー(約6000万平方メートル)の用地を確保し、1兆5000億ルピーを投じて造船クラスターの整備にも乗り出している。
モディ首相は今月、キム・プギョン(金富謙)元首相を団長とする韓国の特使団と面会した際、「インドは急速かつ安定的に成長しており、今が韓国企業進出の好機だ。特に韓国が世界をリードする造船分野での協力を強く望んでいる」と語った。
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