韓国の主要移動通信会社3社が、消費トレンドを主導するMZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)をターゲットにした「ショートフォームマーケティング」に力を入れている。単なるコンテンツ制作に留まらず、ユーザーの参加を促すさまざまな方法を活用して話題を集め、加入者の増加を図る。
KTは最近、人気タレントのヘリを起用し、オンライン専用無制限プラン「ヨゴ」のキャラクターを使用したダンスチャレンジ形式のショートフォームコンテンツを制作した。この動画には、ヘリがテーマソングに合わせて踊る姿が映されており、その知名度や「クセになる」音楽性、簡単に真似できるダンスと相まって、YouTubeやInstagramなどのSNSプラットフォームでの再生回数が300万回に迫る勢いだ。
KTはまた、この「ヨゴダンスチャレンジ」に参加して動画を自身のSNSに共有したユーザーの中から、抽選で景品を提供するイベントも開催し、MZ世代に広まるショートフォームチャレンジの波に乗り、プランの認知度拡大と加入者増加を目指している。
一方、SKテレコムはパリ五輪に合わせ、支援している「チームSK」の選手たちを起用したショートフォーム映像シリーズを公開した。フェンシング選手のオ・サンウクとク・ボンギル、重量挙げ選手のパク・ヘジョンら国家代表選手が参加したコンテンツは、自律感覚愉快反応(ASMR)や拡張現実(AR)を駆使したイベント、AIを活用したプロフィール作成動画などが数十万回の再生回数を記録し、大きな宣伝効果を上げた。
また、五輪直前には人気インフルエンサーのジョナサンと「チームSK」の選手たちが出演するYouTube動画も公開され、SKテレコムのさまざまなAI機能が紹介された。
さらに、LGユープラスは、ソウル市城東区(ソンドング)にショートフォーム制作専用の「メイクサム(MakeSome)スタジオ」1号店をオープンし、コンテンツ事業を本格化した。
このスタジオでは、訪問者が特定のブース内で字幕生成やカメラ操作を設定し、没入感のあるショートフォームコンテンツを簡単に制作できる。また、LGユープラスは今月中に「メイクサムプラットフォーム」も導入予定であり、このプラットフォームを通じて、コンテンツクリエーターが収益を得られるエコシステムを構築し、質の高いショートフォームコンテンツを確保して事業の拡大を狙っている。
業界関係者は「以前のマーケティング手法は一方的な情報提供が中心だったが、今では短くて面白い動画を活用することで効果を最大化する傾向が強まっている。拡散とユーザー誘引がマーケティングの重要テーマとなりつつある今、通信3社のショートフォームマーケティングはさらに加速するだろう」と述べた。
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