
韓国の食品大手農心で、オーナー家3世にあたるシン・サンヨル(辛尚烈)副社長が社内取締役に選任される見通しとなり、経営への関与を一段と強めることになりそうだ。
業界によると、農心は来月20日に開催する定時株主総会で、シン・サンヨル氏を社内取締役に選任する議案を上程する予定だ。議案が可決されれば、シン・サンヨル氏は経営陣であると同時に取締役会メンバーとして主要な意思決定に直接参加することになる。
シン・サンヨル氏は、シン・ドンウォン(辛東原)会長の長男であり、創業者の故シン・チュンホ(辛春浩)氏の孫にあたる。2018年に同社に入社後、戦略・経営管理部門を中心に経験を積み、昨年末に副社長へ昇進した。入社7年での取締役会入りとなる点は、オーナー家3世としては比較的早い段階での昇進とされる。
一般的にオーナー家3世は、役員昇進後に一定期間の実務経験を経て取締役会に入るケースが多いが、今回のシン・サンヨル氏は比較的早い段階で取締役に就任する形となり、グループ内での存在感と役割が一層強まったとの見方が出ている。
農心側は「副社長昇進に伴う社内取締役選任であり、未来事業の競争力強化と『ビジョン2030』の達成をスピード感を持って推進するための措置」と説明している。
財界では、シン・サンヨル氏がグローバル事業および新規事業分野で中核的な役割を担う可能性に注目が集まっている。特に新規事業と海外事業を統括する未来事業室を中心に、戦略立案と実行プロセスへの関与を一段と深めるとみられる。
農心は昨年、「ビジョン2030」を通じて売上高7兆3000億ウォン(約7825億6000万円)、営業利益率10%の達成、海外売り上げ比率61%への引き上げを目標として掲げた。現在、全体売り上げの約40%が海外で発生しており、グローバル市場の拡大が中長期成長戦略の中核となっている。
業界関係者は「未来事業室は新規事業の発掘、海外拡大のロードマップ策定、M&Aなどを総括する中枢組織だ。シン・サンヨル氏の判断と実行力が、今後の農心の方向性を左右する可能性がある」と話している。
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