北朝鮮が12日に発射したミサイルについて、韓国軍当局は13日、潜水艦発射巡航ミサイル(SLCM)2発を水中から発射した事実を探知していたものの「欺瞞戦術」の可能性などに備えて、その事実を直ちに公開しなかったことを明らかにした。
合同参謀本部によると、韓国軍は12日午前、北朝鮮咸鏡南道(ハムギョンナムド)新浦(シンポ)付近の海上から発射されたSLCM2発を捕捉した。北朝鮮が潜水艦からSLCMを発射したのは今回が初めてだった。
しかし、合同参謀本部が北朝鮮のSLCM発射を国防省担当記者に発表したのは13日午前5時50分ごろになってから。このため「リアルタイムの把握に失敗したのではないか」という観測が流れた。
これに対し、韓国軍当局は「発射の兆候を事前に探知し動向を注視しており、発射・飛行も探知した」と説明した。韓国側が先に北朝鮮のミサイル発射事実を公開した場合、それを受けた北朝鮮の欺瞞戦術や誇張などが伴う可能性があり、その時期を遅らせただけだと主張した。
北朝鮮は13日、朝鮮労働党機関紙・労働新聞でSLCMが「戦略巡航ミサイル」であり、日本海上に設定された8字型軌道に沿って約2時間6分飛行した後、1500km離れた標的に命中したと主張した。
しかし、韓国軍当局は、北朝鮮の報道内容が誇張された可能性があると見ている。軍関係者は「われわれが把握したものと北朝鮮が発表したものに違いがあり、韓米当局が現在、分析中だ。どの程度の欺瞞と誇張があるのか調べている」とした。
北朝鮮は米韓軍当局の探知能力を確認することなどを目的に、韓国軍の分析とは異なる主張をする欺瞞戦術をたびたび取る。
北朝鮮は先月22日にも咸鏡北道(ハムギョンプクト)金策市(キムチェクシ)一帯から日本海上に向けて戦略巡航ミサイルを発射したと主張したが、韓国軍は「韓米が把握した情報とは違う」と欺瞞戦術の可能性を示唆していた。
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