手当に充てる予算が尽きたとして、韓国警察庁が全国市・道警察庁と付属機関に「年末まで超過勤務申請を制限する」と伝達した。一線の警察官の間で治安維持への憂慮と不満の声が上がっている。
新型コロナウイルス禍が収束したことで野外集会やデモ対応が増え、予算を早く使い果たしたのが原因だという。釜山(プサン)警察庁のある警察官が超過勤務手当を不正受給していたことも影響した。
警察は年末になると雑踏警備などの機会が増えるため、人員がひっ迫する。超過勤務なしでは有事の際の対応が難しくなりかねない。
京畿道(キョンギド)の警察署に勤務する警察官は「超過勤務なしでは地区隊、交番がまともに回らないだろう。人員不足で動かせないパトカーも出てくるのではないか」と懸念した。
警察庁は、勤務が超過した場合、手当の代わりに休暇で代替するとしているが、休暇者が出れば結局仕事が回らないため、悪循環に陥るだけだという指摘もある。
ソウルの交番勤務の警察官は「それでなくても残った休暇は使い果たさなければならず、休暇者は増える。チームで日程を合わせているが、突発的な事案が起きて、今でも休暇は取れていない」と吐露した。
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