「通報者の方、警察の助けが必要な場合は携帯の数字ボタンを押してください」
音声がなくても112番緊急通報(日本の110番に該当)した人の携帯電話カメラを通じて位置や周辺状況を把握できる「見える112」通報システム。韓国の警察庁は、このシステムを昨年1月から500日間運用した結果、計5万1158件の通報が受け付けられたと明らかにした。
「見える112」は家庭内暴力やデート暴力、各種性犯罪など、加害者が目の前にいて話しにくい状況で、電話の番号ボタンを「トントン」と押すだけで危険な状態であることを知らせるシステムだ。
今年2月、大田(テジョン)のオフィステルで、別れを拒否する交際相手の男性から脅かされていた20代女性は112番通報したが、何も話せなかった。目の前で男性が自殺を試みるなど危険な状況だったからだ。黙って泣いている女性に、警察はどの数字でもいいから電話のボタンを2回押すよう促し、すぐに位置追跡に入った。通報場所を特定した警察は現場に急行して女性を救い出した。
112に電話した後、警察の案内に従ってボタンを押せば警察が「見える112」リンクを通報者に携帯メールで伝送する。リンクを押して接続すれば、警察が通報者の携帯電話カメラを通じて通報者の位置・周辺状況を把握することができる。
通報者の携帯電話のチャット画面をポータルサイト画面のように仮装し、相手に察知されることなく警察官とチャットもできる。
警察庁は昨年9月から「見える112」を広く知らせるため数字ボタンを繰り返し押せという意味の「トントンキャンペーン」を展開。もしもの時の活用を呼び掛けている。
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