2024 年 12月 22日 (日)
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[韓国記者コラム] 「麻薬は被害者のいない犯罪」自己合理化した韓流トップ俳優

俳優ユ・アイン氏(c)news1

「麻薬は被害者のいない犯罪なのに、なぜ処罰するのかわからない」。麻薬関連事件の容疑者の中には、こう主張する人がいる。過去には捜査員も「麻薬は被害者のいない犯罪」と呼んだりした。

麻薬使用容疑を受け、先月27日、警察で約12時間の取り調べを受けたあと、姿を現した俳優のユ・アイン氏も「私の逸脱行為は誰に危害を及ぼすものではない、という自己合理化の中で、誤った沼に陥っていたようだ」と語った。同じような考えを持っていたようだ。

世界保健機関(WHO)は麻薬を「社会にも害を及ぼす薬物」と規定する。一方で、強い依存性、禁断症状など危害性の大部分が、投薬者個人に集中している。それゆえ、「麻薬は他人に被害を与えない」という考えが一見、的を得ているかのような響きを持つ。

韓国憲法が保障する自由権の定義に基づき、麻薬は「個人の自由」という声も一部にはある。ただ単に「法で犯罪と規定されている」がゆえに麻薬使用が処罰されているだけ――などと、過ちを認めない使用者もいる。

結論を言うと、すべて間違った考えだ。麻薬使用は厳然たる犯罪であり、特に他人に直接的被害を与えかねない凶悪犯罪だ。

◇2次凶悪犯罪への危惧

最高検察庁の麻薬類犯罪白書を見ると、麻薬使用後、幻覚状態で殺人や強盗・窃盗などの「2次凶悪犯罪」が発生することがわかった。この5年間、こうした幻覚状態での2次凶悪犯罪は計48件であり、被害者は51人に達する。

最も凶悪なのは2014年6月、釜山で発生した殺人未遂事件だ。当時30代だった男性は麻薬を使用し、海雲台(ヘウンデ)のマンションで内縁の女性を攻撃した。

あまりにも残酷で、状況を具体的に描けないような「反人倫的な」行動だった。被害者は身体の一部を傷つけられ、正常な生活が不可能になった。その後、幻覚症状に至った容疑者は「助けてほしい」と叫びながら、飛び降りようとした。

専門家によると、麻薬使用後は前頭葉の脳細胞が損傷し、感情を調節するのが難しくなるという。不眠症に苦しむ場合も多く、割れたガラスのような危険な状態に陥り、想像以上の行動に出る恐れがあるという。

これが、麻薬使用を「個人の選択と自由」として片付けることができない理由だ。

◇好奇心や深刻な不眠症

韓国はもはや「麻薬清浄国」とは言えない。テレグラムやツイッターなどのSNS検索だけで、誰でも簡単に麻薬を手に入れることができる。

麻薬事件の大多数は、好奇心、あるいは深刻な不眠症で手を出したというものだ。MZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)の間では「インサ(インサイダーの略語・主要人物)は麻薬を使用すべきだ」という言葉まで飛び交っているという。

しかし「インサ」になろうとしても、あまりにも深い沼に陥る恐れがある。「自己合理化した結果、誤った沼に陥ってしまった」と気づいた時は、すでに取り返しがつかない状況かもしれない。【news1 ワン・テソン記者】

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