
韓国観光公社の社長をはじめとする主要幹部ポストの空席状態が長期化し、観光業界からは懸念の声が強まっている。観光産業の再活性化が求められる今、迅速で専門性ある人事の必要性が高まっている。
観光公社は2024年1月にキム・ジャンシル社長(当時)が任期途中で退任して以降、約1年半にわたりトップが不在の状態が続いている。2月には社長公募が始まったが、6月の政権交代と文化体育観光相の交代を控えた影響で、事実上の無期限中断に陥っている。観光公社の社長は文体相の推薦を経て大統領が任命するため、政治的な影響が避けられない。
観光公社内部でも5つある本部のうち4つが現在、職務代理体制で運営されており、国際・国内観光政策や医療観光、MICE(国際会議や展示会)などを担当する主要部門の空白が続いている。2019年に過去最高の1750万人を記録した外国人観光客数を「3000万人時代」へと押し上げるためにも、観光公社のリーダーシップは不可欠とされる。
観光業界では、次期社長には観光公社内部の経験者や観光企業出身者など、実務に精通した専門家が求められている。設立以来63年間、一度も内部人材が社長に任命されたことがないという現実に対し、「現場の声を反映できる人物こそが今必要だ」との声が高まっている。
また、文化芸術や政治・メディア出身者が占めてきた文体相にも、今こそ観光専門家の登用が必要との意見も出ている。主要国の多くで、観光分野での経験豊富な人物が任命されている。
業界関係者は「グローバルでは観光が『文化』から『産業』へとシフトしているが、韓国は依然として文化に偏っている。観光公社と文体省は迅速な人事と専門家の登用を通じ、主導権を握るべきだ」と訴えた。
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