
原油価格の高騰を受け、韓国の航空各社がコスト削減を急ぐ中、現場のパイロットも燃料消費を抑える取り組みを徹底している。着陸後のエンジン出力を最小限に抑えるほか、燃料が安い空港で多めに給油するなど、細かな工夫が広がっている。
航空業界によると、アシアナ航空のパイロット労働組合は最近、運航時に「経済飛行」の徹底や地上走行の効率化、適正な燃料搭載、飛行計画の最適化などを求める内部通知を出した。燃料費は航空会社の支出の約3割を占める最大コストであり、削減が急務となっている。
具体的には、着陸後に2基あるエンジンのうち1基のみを使用してゲートへ向かう「シングルエンジン・タキシング」が推奨されている。これまでは慣れた空港に限って運用されていたが、安全が確保される場合には海外空港でも機長の判断で実施されるようになった。
また、空中での無駄な旋回や待機時間を減らすため、管制に対して早期の進入許可を求めるケースも増えている。いわゆる「ダイレクト進入」により飛行時間と燃料消費の削減を図る狙いだ。
さらに、空港ごとの燃料価格差を活用する「タンクリング」と呼ばれる手法も用いられている。燃料が安い空港で通常より多く給油し、価格の高い空港での給油を減らす方法だ。ただし、燃料を積み過ぎると機体重量が増し燃費が悪化するため、距離や価格差を踏まえた慎重な判断が求められる。
航空会社は相次いで非常経営体制に入り、支出の見直しや運航の最適化を進めているが、現場の努力だけでは限界があるとの声も強い。業界関係者は「路線を維持するほど赤字が拡大するケースもある」と指摘し、政府による支援の必要性を訴えている。
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