
ウォン安が加速し、韓国の航空業界のコスト負担が急速に膨らんでいる。一時は1ドル=1500ウォン台の深刻なウォン安水準を突破したほか、航空燃料価格も高止まりが続いており、各社は採算性の低い路線を中心に減便や運休を連発。人件費抑制のための無給休職に踏み切る動きも広がっており、経営環境の悪化が深刻化している。
韓国の航空業界などによると、最大手の一角であるアシアナ航空は、国際線の夏季運航計画から計8路線、58便の減便・運休を決定。今月21日だけで新たに3路線、31便の運休を決めるなど、従来の規模から2倍以上に拡大させており、経営圧迫の根深さを物語っている。
また、中堅・格安航空会社(LCC)の路線縮小も相次ぐ。トリニティ航空(旧ティーウェイ航空)は仁川(インチョン)発のフランクフルト線、ザグレブ線、パリ線といった欧州路線のほか、北米路線の減便・運休期間の延長を決定。エアプレミアも仁川―ダナン線を7月15日から10月24日まで運休することを発表した。
各社を追い詰める最大の要因は、ドル建て決済が大半を占める航空燃料の購入負担増だ。ソウル外国為替市場では21日、1ドル=1506.1ウォンのウォン安水準で取引を終えた。2025年の平均レート(1ドル=1423.32ウォン)に比べ、ウォンの価値が5.8%も下落した計算になり、ドル建て費用の支払いが重くのしかかる。
一方、原油価格自体は直近で下落傾向にある。直近1カ月(4月16日~5月15日)の平均航空燃料価格は1ガロン当たり410.02セントとなり、前月比で100セント以上下がった。しかし、これでもロシアのウクライナ侵攻前の約2倍の水準であり、中東政権緊迫化前の最高値(2022年7~8月の360セント)を上回る高値圏だ。「最悪期は脱したものの、負担が大きいことに変わりはない」(業界関係者)という。
こうした「ウォン安・高油価」の長期化を受け、現場の雇用にも影響が出始めている。エアロKやチェジュ航空などは従業員を対象に無給休職の申請受け付けを実施。ジンエアーは客室乗務員の採用合格者について、入社時期を延期する措置を取った。
航空業界の関係者は「燃料価格が落ち着きを見せると、今度は一段とウォン安が進むなど、コストをコントロールしにくい状況が続いている。2026年第2四半期(4~6月)までは厳しい局面が続くのではないか」と警戒を強めている。
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