
北朝鮮が最近開いた朝鮮労働党第9回大会で、韓国を別個の国家とみなす「二国家」路線を改めて確認したことが分かった。これまで党大会の報告で使われてきた「祖国の自主的統一」という表現も削除され、対韓政策の大きな転換を示す動きとして注目されている。
国家安保戦略研究院のキム・インテ首席研究委員はニュース1のインタビューで、今回の党大会はキム・ジョンウン(金正恩)体制の統治構造を制度面から整える意味合いが強いと指摘した。
北朝鮮では国家よりも朝鮮労働党が上位に立つ一党支配体制が続いており、党大会は最も重要な政治行事とされる。キム・インテ氏は、約80年間続く「世襲型政党」という特性を踏まえて党大会を分析する必要があると強調した。
北朝鮮は4日、最高人民会議第15期代議員選挙を今月15日に実施すると発表した。党大会(5年周期)と最高人民会議(任期5年)のタイミングを一致させるのは、キム・ジョンウン体制では初めてとなる。
北朝鮮では、党大会で国家路線や指導部を決めた後、最高人民会議が法律や人事でそれを追認する仕組みとなっている。キム・インテ氏は今回の日程調整について「党中心の統治構造をより合理的に整えるための措置」と分析した。
今回の党大会後に開かれた党中央委員会総会では、キム・ヨジョン(金与正)氏が党副部長から部長級に昇進した。
キム・インテ氏はこの人事について「キム・ジョンウン総書記の統治体制を強化する狙いがある」との見方を示した。北朝鮮では、最高指導者の信任を受け政策運営を担う側近集団が存在するとされる。キム・ヨジョン氏は単なる血縁関係を超え、政策決定過程の中核を担う人物として位置づけられているという。
今回の党大会で特に注目されるのは、事業総括報告の構成から「祖国の自主的統一」という表現が削除された点だ。
これまでの党大会では、第7回大会で「祖国の自主的統一のために」、第8回大会では「祖国の自主的統一と対外関係発展のために」と記されていた。しかし今回は「対外関係の拡大・強化のために」との表現に変更された。
キム・インテ氏は「北朝鮮が南北関係を統一問題として扱わないという戦略的認識を示したものだ」と指摘する。
党大会の舞台演出にも変化が見られた。従来はキム・イルソン(金日成)主席やキム・ジョンイル(金正日)総書記の肖像が掲げられていたが、第8回大会と今回の第9回大会では、背景に党旗と党マークが配置された。
形式上は「金日成・金正日主義の継承」を掲げながらも、実際には「キム・ジョンウン時代の労働党」を強調する演出とみられる。
北朝鮮はこれまで、国家政策を▽政策表明▽法律化▽憲法化という段階を経て制度化してきた。
今回の党大会も、韓国との関係を敵対する二つの国家として固定化する政策を制度面で固める過程の一環とみられる。
今後の焦点についてキム・インテ氏は「二国家関係を憲法にどこまで明記するかが、南北関係の将来を占う重要な指標になる」と指摘した。
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