
韓国経済が今年0%台の「超低成長」にとどまるとの見通しが、国内外の機関から相次いで示されている。米国による関税賦課の影響が本格化する前の1~3月期(第1四半期)の経済成長率が予想を上回るマイナスを記録し、低成長への懸念が一層強まっている。
韓国銀行は、国内企業が関税ショックに対応する力を備えており、4~6月期(第2四半期)には民間消費や政府支出の増加により成長率が改善する可能性があると、過度な悲観論をけん制した。
しかし主要機関の多くは、年間成長率が0%台にとどまるとの見通しを示している。中には0.5~0.6%という極めて低い成長率を予測する声も出ている。
◇1~3月期GDPはマイナス0.2%、4四半期連続0.1%未満の低成長
韓国銀行によると、2025年1~3月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比0.2%減少し、3四半期ぶりのマイナス成長となった。さらに、四半期ごとの成長率が4期連続で0.1%以下にとどまったのは初のケースであり、韓国経済の活力が徐々に失われつつあると分析されている。
特に、内需の低迷が成長の足を引っ張った。建設投資は前期比3.2%、前年同期比12.2%減少し、GDPへの寄与度はマイナス0.4ポイントと、今回の逆成長の主因とされた。民間消費も前期比0.1%減、前年同期比では0.5%の増加にとどまった。
輸出は前期比1.1%減少したが、これは鉄鋼・アルミニウムを除き、米国の関税賦課が実施される前のデータである。韓国銀行のイ・ドンウォン経済統計局長は「輸出減少の主因は、関税ではなく関連業種の世界的な需要低迷だった」と説明した。
◇成長率見通しは0.5%前後が多数派 財政出動で底上げ期待も
こうした状況を受け、各機関は年間成長率の予測を相次いで下方修正している。JPモルガンは韓国の2025年成長率を従来の0.7%から0.5%に、シティは0.8%から0.6%に引き下げた。これは、コロナ禍の2020年のマイナス0.7%以来、最も低い水準だ。
国内機関も同様で、ハンファ投資証券は0.5%、NH投資証券とユジン投資証券は0.7%と予測した。ハンファ投資証券のチェ・ギュホ研究員は「年1%台の成長を達成するには、今後各四半期で前期比0.8%の成長が必要だが、2022年以降の平均成長率0.3%を考慮すると困難。現実的には平均0.4%の成長を想定した場合、年間成長率は0.5%前後になる」と述べた。
一方、KB証券(1.3%)やサムスン証券(1.1%)など、依然として1%以上の成長を見込む機関もある。KB証券のキム・サンフン研究員は「大統領選挙後に第2次補正予算(追補予算)が実施され、1~3月期の底を打った後、緩やかな回復に転じる」とみる。
◇韓国銀行は楽観姿勢も…関税の影響は不透明
韓国銀行は、2~4月期には消費や設備投資など内需が一部回復する可能性があるとし、過度な悲観論を警戒する姿勢を示している。イ・ドンウォン局長は「政治的な不確実性が解消され、政策金利引き下げの効果も徐々に現れるだろう」と述べ、消費心理の改善余地があるとの見方を示した。
また、韓国銀行のイ・チャンヨン総裁も「韓国企業は通商摩擦以前から供給網を多様化し、中国依存度を減らしてきた」として、関税ショックへの適応力を強調した。
韓国政府は現在、約12兆ウォン規模の補正予算案を国会に提出しており、大統領選挙後には第2次補正予算の議論も進む見込みだ。これにより、建設投資の低迷を和らげる効果も期待されている。
とはいえ、米国による関税賦課の影響が今後どの程度波及するかは依然不透明で、韓国経済の成長見通しに下振れ圧力をかけ続ける可能性がある。5月に発表予定の韓国銀行の改訂経済見通しが、今後の成長路線を占う重要な分岐点となるだろう。
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