今年9月に発生した韓国空軍の戦闘機墜落事故はエンジンのシリコン製パッキン2個が落ち、破片がエンジンの中に入って故障を起こしたのが原因だったことがわかった。空軍が11日に調査結果を明らかにした。
事故を起こしたのはKF-16C(単座型)戦闘機。空軍によると、9月21日午前8時19分ごろ、忠清南道瑞山(チュンチョンナムド・ソサン)基地を離陸して36秒後、高度約314メートルで強い振動と衝撃を伴う「エンジン失速」が起きた。エンジン失速とは、エンジンに流入する空気の流れが突然変わり、推力が一時減少する現象をいう。
操縦士は基地に引き返そうとしたが、加速を試みる過程で計4回のエンジン失速が発生。後尾から煙と火炎が出ているのが確認された。
操縦士は正常に着陸できないと判断し、離陸後1分30秒時点で非常脱出した。当時、戦闘機の高度は24メートル。操縦士の脱出の1秒後、滑走路の間の草むらに墜落した。
空軍の調査によると、エンジンファンの「エアシール」内面にあるラバーシールというパッキンの一種が脱落し、その破片がエンジン内部に流入したという。
エアシールはリング状の金属体でエンジンに流入した空気が再び外に出るのを防ぐもの。また、ラバーシールはエンジン作動時に発生する振動を減少させる役割をする。
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