韓国の移動通信3社の営業利益合計が昨年約4兆3835億ウォン(約4540億円)に到達、10年ぶりに4兆ウォンを超えた前年から更に8.6%伸びた。好業績の背景には、5G加入者の増加やマーケティングの安定化があるとみられている。一方で、3社は将来的な成長を見据え、脱通信事業にも力を入れている。
◇5G加入者割合、3社とも過半数
通信会社別にみると、SKテレコムは連結売り上げ17兆3050億ウォン、営業利益1兆6121億ウォンで、それぞれ前年比3.3%、16.2%増加した。
KTは売り上げ25兆6500億ウォン、営業利益1兆6901億ウォンでともに前年から微増。25兆ウォン超えは1998年の上場以来初めてだ。
LGユープラスは売り上げ13兆9060億ウォン、営業利益1兆813億ウォン。それぞれ前年比0.4%、10.4%増え、初めて年間営業利益が1兆ウォンを超えた。
5G加入者の割合が3社とも半分を超え、成長をけん引した。3社の5G加入者を合わせると2795万人に達する。
昨年のSKテレコムの5G加入者数は1339万人で全体利用者の58%。KTは新規845万人で全体の62%を占め、LGユープラスは611万人が加入し割合が53.5%に増えた。
◇新事業進出を加速
通信3社は安定した通信事業を基盤に新事業への進出を加速している。
SKテレコムは人工知能(AI)カンパニーへの転換に拍車をかける。年内にAIエージェントサービス「A.(エードット)」に国内外の有望企業と大型言語モデル「チャットGPT」や多様な基盤技術を融合させサービスを高度化する。
また、2025年の商用化を目標に準備中の都心航空交通(UAM)事業に乗り出し、主導権を握りたい考えだ。今年、政府実証事業の第1段階に参加し、米国の「ジョビー・アビエーション」と商用化の準備を本格化する。
KTは2020年にク・ヒョンモ代表が就任して以後、一貫して「脱通信」を強調し「デジコ」(DIGICO、デジタルプラットフォーム企業)転換を推進。成長動力の一つとしてAI生態系構築に注力している。今年上半期には超巨大AI「ミドゥム(信頼)」を商用化する計画だ。
昨年、デジコ戦略の拡大のために新韓銀行、CJENM、現代自動車グループなどと戦略的パートナーシップを締結し、今年も積極的な事業提携を進める。
LGユープラスは昨年9月、ライフスタイル、遊び、成長ケア、ウェブ3.0など4大プラットフォームを中心に「ユープラス3.0」時代を開く戦略を発表している。通信ライフプラットフォーム「ユドク」もリリースした。
LGユープラスのヨ・ミョンヒ最高財務責任者(CFO)は3日のカンファレンスコールで「今年もデジタル革新企業に進むため、本業である通信のデジタル化を加速化する。また競争力のあるコンテンツ製作を通じて未来に成長する事業を本格的に始める」と述べた。
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