韓国型都市航空交通(K-UAM)が、全羅南道高興(チョルラナムド・コフン)で初の商用化レベルの機体による飛行実証を成功させ、未来のモビリティとしての期待を高めた。国土交通省が主導する「K-UAMグランドチャレンジ」の一環で実施されたこの試験では、米国のベンチャー企業「ジョビー・アビエーション(Joby Aviation)」のS4機体が使用され、運用技術や安全性を検証した。
今回の飛行は、K-UAMドリームチームコンソーシアム(SKテレコム、韓国空港公社、ハンファシステムなど)が運航や交通管理、離着陸場(バーティポート)の技術と統合して実現。S4機体は6つのプロペラを使用し、10分間の無人飛行を無事成功させた。
50m先でも聞こえる音だが、ヘリコプターと比べても圧倒的に低く、ソウルのような人口密集地でも適応可能な可能性を示した。
ジョビー社のエリック・エリソン副社長は「静音性向上が最優先課題。モーターやプロペラの設計で効率性と低騒音を両立させた」と語った。
S4は最大時速320kmで、都市部や非都市部、離島での活用が期待される。また、現在、米航空当局で部品認証が進行中であり、商用化への準備が着実に進んでいるという。
国土交通省モビリティ自動車局のチョン・ヒョンピル局長は「UAMは今後10年以内に実現可能」とし、機体のみならず、航路や空港、通信・観測システムといった全体的なインフラ構築の重要性を強調した。また、バーティポートや航空通信システムの分野では韓国が先行できる可能性があると述べた。
一方、ジョビーはUAMが都市環境だけでなく、地方や離島地域でも移動手段を変革する力を持つと強調。今年2月にはドバイ道路交通庁との契約を締結し、エアタクシーの運営準備も進めている。
国土交通省は「今回の試験飛行は、商用化可能な技術を目の当たりにする機会となり、韓国の革新的なモビリティ技術に対する関心を高めるきっかけになる」と述べた。
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