2024 年 5月 19日 (日)
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韓国版「スペースX」作ろう…宇宙分野のベンチャーファンド拡大、民間発射場活用

5月、全羅南道高興羅老宇宙センターで韓国型宇宙発射体ヌリ号が発射されている(写真=韓国航空宇宙研究院)(c)MONEYTODAY

韓国政府は、宇宙発射体(ロケット)企業の競争力強化に向け、金融支援と法制化作業を本格化させる。500億ウォン(1ウォン=約0.1円)規模の宇宙分野のベンチャーファンドを拡大し、企業の要望に応じて、建設推進中の民間発射場を完成前にも活用できるように支援する方針だ。

科学技術情報通信省は先月21日、ハン・ドクス(韓悳洙)首相の主宰で開かれた「第29回国政懸案関係長官会議」で、このような内容を含む「国内宇宙発射体企業競争力強化方案」を確定したことを明らかにした。

政府は今後、ロケット産業に技術と人材・資金を流入させる呼び水になるような施策を進める。その一環として、2027年までに宇宙分野のファンドの拡大を推進する。ファンドは投資家が企業に直接投資する代わりに、投資組合に出資して投資リスクを減らしながら収益性を確保するものだ。

同省は今年3月、宇宙スタートアップ育成を目標に今年から2027年までの5年間、500億ウォン規模の宇宙分野のファンドを造成すると明らかにした。当時、技術開発に長い期間がかかる宇宙分野の特性を考慮し、投資期間を5年、回収期間を5年に設定した。

さらに、韓国航空宇宙研究院などが保有する公共宇宙技術が、民間企業に移転できるよう官民協議体を構成することにした。2025年からは、宇宙分野の産業体在職者教育訓練支援事業を新設し、オーダーメード型の教育を実施する。また、政府は、民間が参加できる公共衛星開発事業、国際宇宙協力事業などを発掘し、企業の成長を支援するとしている。

同省は今後、発射インフラ構築と支援制度を拡充し、企業負担を減らすとしている。現在、全羅南道高興郡羅老宇宙センターに建設を推進している民間発射場は、2026年の第1段階完了前でも企業が活用できるように制度を設ける。企業が発射失敗で被る損失を補填するための「発射体損害保険算定基準」も導入する。

◇2~3年がゴールデンタイム

また、発射許可申請が迅速に処理されるように制度も整える。現在、発射許可を受けるためには科学技術情報通信省を含め、国土交通省、海洋水産省、外務省などに発射事実をそれぞれ申告しなければならないが、これを一度に処理するように改善する予定だ。

科学技術情報通信省の関係者は「今年末、『第3次宇宙産業育成案』にも今回発表した内容を反映し、履行状況を点検して管理する。これにより、国内宇宙企業のグローバル市場進出を積極的に支援する予定だ」と明らかにした。

ハン・ドクス首相は「民間主導のニュースペースの加速化によって、通信・地球観測用小型衛星など民間宇宙発射市場が急成長している。政府は今後2~3年を、宇宙市場参入のためのゴールデンタイムだと位置づけており、『国内宇宙発射体企業競争力強化』を本格化する」と明らかにした。

またハン首相は「民官協議体を通じて公共宇宙技術を積極的に民間に移転し、宇宙人材育成と金融支援を積極的に推進する。ロケットと発射場設置など宇宙インフラ構築に関し、民間の力量を革新的に向上せていく」と語った。

(c)MONEYTODAY

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