
米国とイランがホルムズ海峡の通航再開で合意し、ペルシャ湾に滞留していた船舶の移動に道が開かれた。しかし、実際の通航にはなお多くの課題が残されている。
最大の障害は海峡の地理的制約だ。幅約33~39キロの狭い水路では、一度に多数の船舶が通過することが難しい。現在、約800隻以上が滞留しているとされ、順次通過せざるを得ず、解消までに約1週間かかる可能性がある。
韓国の海運会社の船舶も影響を受けており、HMMやパンオーシャンなどが運航する計26隻がペルシャ湾内にとどまっている。これらの船舶は、政府の方針や他国船の動向を見極めながら、通航のタイミングを慎重に判断する構えだ。
さらに、従来の主要航路ではなく、より狭い代替ルートの利用が想定されていることも、通航の遅れにつながるとみられる。安全な航路の確保も大きな課題となっている。
コスト面での不確実性も残る。イランが通行料の徴収や通航時の申告・検査義務を課す可能性があり、その場合、運航コストの増加やスケジュールの遅延は避けられない。また、休戦状態にあっても地政学的リスクは依然として高く、一部では軍艦による護衛の必要性も指摘されている。
加えて、戦争特約などにより上昇した保険料も問題となっている。保険料が高止まりすれば採算の確保が難しくなり、運航再開の判断を一層困難にする。業界からは、リスク低下に応じた保険料の引き下げや政府支援を求める声が上がっている。
専門家は「停戦後であっても、保険会社が安全性を認めなければ運航は再開できない。正常化には数カ月を要する可能性がある」と指摘している。
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