2024 年 5月 19日 (日)
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韓国流通の2022決算 (上) エンデミックで羽を伸ばす業界

ソウル・イーマート龍山店を訪れ、オープン時間を待つ客(c)news1

新型コロナウイルスの長期化による社会的危機の直撃を受けた流通業界は、エンデミックで再び伸び始めた。経済活動再開(リオープニング)に伴う報復心理を狙ったマーケティングが活発化し、これが実績につながった。

産業通商資源省によると、今年1~10月の店舗当たりの売り上げ増減率は▽百貨店8.0%▽コンビニ2.7%▽SSM2.7%▽大型マート1.0%――だった。

昨年、史上最大の売り上げを記録した百貨店は、今年も堅調な成長を続けた。ロッテ百貨店、新世界(シンセゲ)百貨店、現代(ヒョンデ)百貨店はいずれも第3四半期(7~9月)まで累積2桁の売り上げ成長を記録している。

百貨店業界の業績向上につながったのは、ブランド品とファッション部門だ。百貨店3社は女性ファッションと男性ファッション、アウトドア(ゴルフウェア)部門の成長傾向が目立った。新型コロナ感染の長期化に伴う消費者の「報復消費」により、ブランド購買が増えたのが成長をけん引した。

大型マートも売り上げが増えたが、物価高により、消費者を引き込むための「出血競争」を余儀なくされ、停滞した気味だった。未来成長とオフライン競争力確保のための売り場リニューアルによる投資で孤軍奮闘した。

セブンイレブンがミニストップを買収して再編されたコンビニ業界は、初めて大型マート3社の売り上げを追い越した。単身世帯が増加してコンビニで食料や生活必需品などを購入する消費者が相次いだ。コンビニ業者などが多様なサービスにより、単なる商品購入を越えて「ライフスタイルプラットフォーム」に進化したことが功を奏した。

ソウル市内の駐車場に駐車するクーパン配送トラック(c)news1

電子商取引会社の成長の勢いも目立つ。晩年赤字に苦しんでいたクーパンはロケット配送導入以後、8年ぶりの四半期黒字を記録した。クーパンの第3四半期(7~9月)の売り上げ成長率は昨年比27%で、同期間オンラインショッピング12%、小売販売7%に比べて高かった。

収益性悪化に苦しめられてきたロッテオンは早朝配送サービスを中断し“反転カード”として英ネットスーパー「オカド」と協業を持ち出した。ロッテはオカドのオンライン食料品注文・配送ソリューション「オカドスマートプラットフォーム」(OSP)導入と運営のために2030年までに約1兆ウォン(約1050億円)を投資する計画だ。

利用客でにぎわう仁川国際空港第1ターミナル免税店(c)news1

再び開かれた空の道に、旅行・免税店業界は、事業の正常化に対する期待感を高めた。特に9月から入国前PCR検査が、10月から入国後検査義務が解除され、海外旅行需要が急増した。無給休暇に入った職員は続々と復帰し、人材を採用するための業者の採用も減らした。

免税店業界はウォン安ドル高が足を引っ張った。免税店製品が国内販売価格より高い逆転現象が起き、免税店業者らは多様な割引政策で消費者誘致に乗り出した。最近はウォン安ドル高のピークが過ぎ、来年の事業に対する期待感を高めている。

業界関係者は「流通業界は新型コロナという不確実な状況を越えると、ロシアのウクライナ侵攻など多様な悪材料に直面した。だが危機を無事に乗り越えたようだ。来年も物価高による内需消費不安と不確実性が大きくなり、事業構想に対する苦悩が深まるだろう」と話した。

(c)news1

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