
オンライン賭博による多額の借金を苦に、未成年の子どもを殺害して自殺しようとした韓国の夫婦に対し、実刑判決が確定した。韓国の大法院(最高裁)は6日、殺人未遂と児童福祉法違反(児童虐待)の罪で起訴された父親の上告を棄却し、懲役3年とした原審判決を確定した。児童虐待治療プログラム40時間の履修命令も維持された。
この父親はオンライン賭博にのめり込み、既存のローンに加え約3400万ウォン(約374万円)の借金を新たに抱えた。返済は不可能だと判断し、妻と話し合った末、子どもたちを殺害したうえで一家心中する計画を立てた。
2024年12月14日午後、夫婦は練炭と睡眠導入剤を購入。同日夜、子どもたちに「駆虫薬だ」と偽って睡眠薬を飲ませた。翌15日午前1時ごろ、練炭に火を付けて居間に置き、一酸化炭素中毒で命を絶とうとした。途中で目を覚ました息子が「やめてほしい」と止めたが、夫婦は「もう生きていけないほどつらい」と話したという。
しかし練炭の火が自然に消え、計画は失敗した。同日夜、夫婦は子どもたちを連れて慶尚南道梁山市の公園駐車場に移動し、車内で再び自殺を図ろうとしたが、父親の母親が警察に通報。駆け付けた警察官に制止され未遂に終わった。
夫婦側は裁判で「自ら窓を開けて換気し、練炭を外に出して火を消すなど犯行を自主的に中止した」と主張した。しかし裁判所は、警察調査で父親が「火が消えたため中断した」と認めている点などを指摘し、「練炭は自然に消えたものであり、自発的な中止とは認められない」と判断した。
さらに裁判所は、数時間後に再び練炭を持ち出して犯行を試みた事実に触れ、「子どもたちに睡眠導入剤を飲ませて眠らせた状態で練炭に火を付けており、殺意は明白で生命の危険は現実化していた」と指摘した。
一審は父親に懲役3年、妻には懲役3年・執行猶予5年を言い渡した。裁判所は、違法な債権回収による脅迫が背景にあった可能性や、その後借金問題が解決したとみられる点、子どもの養育に被告らの役割が依然必要な点などを量刑に考慮したと説明している。
控訴審も同じ判断を維持し、父親が上告したが、大法院は原審の判断に誤りはないとして判決を確定した。
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