
韓国最大手のエンターテインメント企業「CJ ENM」が、自社音楽チャンネルMnetで放送されたバンドオーディション番組『The Great Seoul Invasion』の制作をめぐり、不公正な取引をしたとして、インディーズ音楽レーベル兼イベント企画会社「MPMG」がCJ ENMを公正取引委員会に告発した。
MPMGプロデューサー(PD)のイ・ジョンヒョン氏は11月12日、ソウル市麻浦区の本社で記者会見を開き、「CJ ENMが一切の出資もなく、番組の知的財産権(IP)や収益をすべて独占した」と訴えた。
イ・ジョンヒョン氏によると、番組の制作には計50億ウォン(約5.6億円)以上の費用がかかったが、Mnet側は出資せず、番組制作や宣伝、撮影、ライブ企画などをMPMGが全て担ったという。
それにもかかわらず、CJ ENMは放送権と音源の配信権を独占し、「制作発表会の日程すら共有されず、会社ロゴの露出も徹底的に排除された」と主張した。
イ・ジョンヒョン氏は、CJ ENMが新たに開始したバンド番組『Steel Heart Club』にも言及し、「制作協賛に参加しているカカオエンターテインメントも我々と同様の扱いを受けているのではないか」と疑問を呈した。
また「CJ ENMがバンドシーンの正統性をあたかも自分たちが作り上げたように演出していることに怒りを覚える。被害が繰り返されないように記者会見を開いた」と語った。
これに対しCJ ENMは、MPMG側の主張に「事実と異なる一方的な主張に深い遺憾の意を示す」と表明した。「『The Great Seoul Invasion』は2021年にMPMGの企画・提案で始まった番組であり、外部協賛を受けて制作された。MPMGは番組の公演権、出演者マネジメント権、音源の原盤権を保有し、CJ ENMは放送権と配信権を保有するという合意のもとで進められたもの。今後は法的対応を含む必要な措置を取る」と強調した。
『The Great Seoul Invasion』は2022年に放送されたバンドサバイバル番組。
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