2025 年 1月 4日 (土)
ホーム社会韓国旅客機の被害を拡大させたローカライザー…「規定違反」めぐり議論続出

韓国旅客機の被害を拡大させたローカライザー…「規定違反」めぐり議論続出

31日午後、事故現場でローカライザーなどを調査する関係者(c)news1

韓国・務安国際空港で先月29日に発生した済州航空機事故で、被害を拡大させた原因の一つとして、航空機が胴体着陸後に衝突したローカライザー(方位角表示施設)の土盛りが指摘され、この施設に関する規定を改正すべきだとの声が高まっている。国土交通省は、同空港のローカライザーが関連法に基づいて設置されていると明らかにしているが、一部では「規定に反しているのでは」との指摘も出ている。

◇ローカライザー規定違反?…国土交通省「合法設置」

事故映像を見ると、航空機が胴体着陸後に、コンクリート製ローカライザーの土盛りと外壁に衝突し、爆発と火災が発生したことが確認できる。

まず、当該ローカライザーは関連法に基づき合法的に設置されたとするのが国土交通省の立場だ。同省は「空港施設法に基づく航空障害物管理細則によれば、障害物と見なされるすべての装備や設置物は壊れやすい支柱に取り付けるよう規定されている。ただ、これは滑走帯および滑走路端安全区域内に位置する場合にのみ適用される」としている。同空港のローカライザーのように終端安全区域外に設置される装備や障害物については、当該規定が適用されないという。

だが、国土交通省の空港離着陸場設置基準をみれば、ローカライザー施設が設置される地点まで終端安全区域を延長して設定するよう規定されており、空港設計細則にも同様の内容が記載されている。そのため、務安空港のローカライザー設置が規定に違反しているとの指摘も出ている。

これに関して国土交通省は31日のブリーフィングで「土盛り型の支柱を作った理由については、過去の複数の空港で材料が異なっており、設計時にさまざまな要素を考慮して最適な方法を探した施工方針のようだ。滑走路の高さを超えないと本来の性能を発揮できないため、常に若干高めに設置されている」と指摘した。

今後、土盛り型の施設物について交換の可能性を即座に言及するのは難しく、調査結果と点検後に再検討する必要があるとの見解を示した。

◇安全距離を延ばし、壊れやすい素材に変更すべきだ

専門家らは、該当施設の設置が合法かどうかに関わらず、今回の大規模な人的被害の原因となった以上、関連規定を改正して安全により重点を置くべきだと提言した。滑走路端安全区域を従来よりも延長し、ローカライザーがどこに設置されていても壊れやすくする案などが提示された。

草堂大学消防防災学科のソン・ウォンベ教授は「ローカライザーの土盛りが法的に問題がなくても大事故が発生したため、安全の意味を広げて規定をより補完する必要がある。衝突時にローカライザーの基礎が壊れやすくするとか、安全区域をもっと長く設定するとか、規定を作るべきだ」と述べた。

又石大学消防防災学科のコン・ハソン教授も「空港周辺の構造物を壊れやすくしたり、最小の重量・最小の高さなどを現在よりよくすることが望ましい」と述べた。

ただし、まだ調査が進行中であり、ローカライザーの土盛りが火災を誘発した主な原因である点が明らかになっていないため、慎重にアプローチすべきだという意見もある。

ある航空業界関係者は「ローカライザーの土盛りがなかったらという悔しい思いは多い。ローカライザーも航空安全のための施設である以上、空港ごとに基準内で状況に応じて設置されたものであり、無条件に規制を強化するのも適切ではないと思う」と述べた。

国土交通省関係者は「現在、土盛り構造物が被害を拡大させたのかという内容について、航空鉄道事故調査委員会がさまざまな可能性を開いて調査する。空港の状況を考えると、土盛り構造物がなかった場合でも外壁による被害がどれほどだったのかを確認する必要があり、事故委が総合的に検討する」と説明した。

現在、韓国空港公社が管理している国内14の空港のうち、コンクリート方式の基礎を持つローカライザーが設置された空港は務安空港、光州空港、麗水空港、清州空港などであることが知られている。

2015年4月、広島空港ではアシアナ航空機が滑走路を逸脱しローカライザーと衝突したが、施設を突き抜け、近くの草地で停止した。航空機が衝突した際に壊れやすい素材のローカライザー支柱だったため可能だったことであり、搭乗者の中に死亡者は発生しなかった。

(c)news1

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