
韓国政府が進めるAI国家戦略の一環として、科学技術情報通信省が主導する「国家AIファウンデーションモデル(基盤モデル)」開発プロジェクトにおいて、参加する大学には修士・博士課程の研究者の組み込みが義務化される。これは産学協力を通じて「韓国型AI専門人材」を体系的に育成しようとする政策の一環であり、技術自立と人材確保の両面を狙っている。
大学の研究室やAI専門センターが実際の開発現場に加わることで、先端AIモデルの構築に必要な深い知識と実務経験を積むことができる。
これまで韓国では、AI分野での技術力は高まっているものの、ファウンデーションモデル(大規模基盤AIモデル)のような最先端技術の内製化に向けては人材不足が指摘されてきた。政府は今回の制度を通じて、国内AI産業の土台となる人材を長期的に確保することを目指す。
また、政府は同事業を通じて、単なる技術導入にとどまらず、韓国独自の文化・言語に特化したAIの開発を推進する構えだ。英語中心の海外AIとは異なる「韓国語・韓国文化に最適化されたAI」を目標とし、その実現に向けた人材育成は不可欠だと強調されている。
科学技術情報通信省関係者は「人材の内製化こそがAI競争力の核心だ。大学との連携を通じて、単なる実務者ではなく、未来のリーダーとなる研究者を育てる」と語った。
政府はまた、大学院生に対し、一定の研究費や支援制度を拡充し、官民連携を通じてより多くの学生がAI開発の最前線に関われるようにする。今回の制度は2025年後半に本格施行され、早ければ同年末から関連予算が反映される。
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