
韓国政府がすべての事業所を対象に退職年金制度の導入を義務化する方向で検討を進めている。これにより、従来の「退職金」(一時金)制度は廃止され、すべての退職給付が年金方式へと一本化される見通しとなった。併せて、退職年金の資産運用効率を高めるため、新たに「退職年金公団」の設立も進める。
雇用労働省は最近、国政企画委員会に対しこのような内容を盛り込んだ「退職年金制度改善案」を報告した。報告によると、現在は退職金と退職年金が並存する制度を、退職年金一本に統合する方向で制度改編が進められる。
義務化の導入については、中小企業の負担を考慮し、企業の規模に応じた段階的導入を計画している。具体的には、従業員300人以上の大企業から開始し、100~299人、30~99人、5~29人、そして5人未満といった5段階での適用が想定されている。
また、退職給付の支給条件も緩和される見通しで、これまでの「1年以上勤務」から「3カ月以上勤務」に短縮する法改正も進められる。
さらに政府は、退職年金を専門的に運用・管理する「退職年金公団」の設立も本格的に検討中だ。これは国民年金や公務員年金のように、公的機関が統合的に資産を運用し、約430兆ウォンにのぼる退職年金資産の収益率向上を目指すもの。ただ、現在市場を担う民間金融機関(銀行・保険・証券会社)との利害調整が課題になるとみられる。
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