2025 年 4月 18日 (金)
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韓国憲法裁の決定文、与野党は本当に読んだのか! [韓国記者コラム]

2024年4月、韓国大統領室で開かれた会談に先立ち握手するユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領(右、当時)と「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表=大統領室提供(c)news1

韓国憲法裁判所がユン・ソンニョル(尹錫悦)氏の大統領罷免を決定した際に示した判断は明快だった。12月3日の「非常戒厳」宣布が民主的手続きを逸脱していたとしつつ、同時に多くの議席を持つ野党にも「対話と妥協の努力が欠けていた」と厳しく言及した。

決定文からは憲法裁の深い苦慮がにじんでいた。だが、その重みを真摯に受け止めるべき政治家たちは、その中身すら読んでいないかのような振る舞いを続けている。

まずユン・ソンニョル氏は罷免後に2度出した声明の中で、憲法裁の決定に対する尊重や受け入れの意志を一切表明しなかった。代わりに、自身を支持して戦ってくれた人々への「感謝」だけを述べ、事実上、決定を認めず支持層にさらなる「戦い」を促すような態度を取った。

憲法裁が「国民すべての大統領として、支持層を超え社会全体を統合する責務を果たさなかった」と指摘したにもかかわらず、ユン・ソンニョル氏は今もなお、自らに忠誠を示す一部の支持者のみを「国民」として見ているように映る。

与党「国民の力」も反省の色はない。党指導部はユン・ソンニョル氏を訪ね、「次期大統領選での勝利を目指してほしい」との言葉を受けて戻ってきた。そして党内の支持を再確認した後、「大統領選勝利こそ我々の使命だ」と述べた。

だが「イ・ジェミョン(李在明)を止める」という単純なスローガンでは通用しないことは、直近の総選挙で既に証明されている。憲法裁は決定文で「野党の横暴を正し、ユン大統領が責任ある政治を実現するための2年間があった」と述べた。すなわち、説得すべき「国民の過半数」に届かなかったのはユン・ソンニョル氏と与党の双方だったという意味だ。

また、今回の罷免決定は決して共に民主党の肩を持ったわけではない。

むしろ決定文では、民主党が法案を強行採決し、幾度となく弾劾訴追案を提出した点を批判。「国会は党派の利益ではなく、国民全体の利益を優先すべきだ」とし「少数意見の尊重」も求めていた。

その警告にもかかわらず、民主党は「内乱特別検察法」「ミョン・テギュン特検法」を再び推進する方針を打ち出した。これらはすでに検察の捜査が進行中であり、ユン政権が再議要求権(拒否権)を行使した法案だ。加えて、大統領が罷免された際に権限代行者が早期大統領選の日程を義務的に公示するという法案まで提出した。

だが憲法裁は「国会の多数党が一方的に権限を行使し続けた結果、政府との間に重大な摩擦が生じた」と指摘している。今もなお、民主党は多数の議席を武器に法案提出を繰り返しており、体質は変わっていない。

実際、これまで民主党が強行し、政府が再議要求権を行使した法案は41件にのぼり、提出された弾劾訴追案も30件に達する。まさに「過ぎたるは及ばざるがごとし」だ。

そもそも、憲法裁が決定を下すまでの間、ユン・ソンニョル氏の弾劾に対する国民の反対意見が、なぜパク・クネ(朴槿恵)氏の時より多かったのか、そして民主党自身もなぜ「棄却されるかもしれない」という不安に駆られていたのか、自問すべきである。

憲法裁は決定文の中で「政府と国会の対立は一方にのみ責任があるものではない」「民主主義の原理に基づき、政治的に調整・解決されるべき問題」だとした。

政治とは本来、制度や法だけでなく、対話と妥協で成り立つ営みである。憲法裁の警告を胸に、政治家たちが「政治によって」問題を解決する姿を、一度くらいは見てみたいものだ。【news1 イ・パルグム記者】

(c)news1

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