2025 年 6月 13日 (金)
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韓国大統領選、20代男女の「深い分断」 投票行動にくっきり差

2025年6月6日、ソウルの市場を訪れ、市民と交流するイ・ジェミョン(李在明)大統領と妻キム・ヘギョン(金恵景)氏=(c)news1

6月3日の韓国大統領選挙において、20代有権者の投票行動は性別によって大きく分かれた。20代男性の7割以上が保守系候補に投票した一方、20代女性の過半数は「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)大統領を支持した。

イ・ジェミョン大統領を選んだ20代女性は、戒厳令への反発や社会統合への期待を理由に挙げた。一方で20代男性は、イ・ジェミョン大統領の「女性寄り」とされる公約や現在進行中の裁判を巡る懸念から支持を控えたという。

今月3日に発表された韓国地上波放送3社の出口調査によると、20代以下の男性におけるイ・ジェミョン大統領の得票率は24%で、改革新党のイ・ジュンソク(李俊錫)候補の37.2%、国民の力のキム・ムンス(金文洙)候補の36.9%を大きく下回った。

一方、20代以下の女性では58.1%がイ・ジェミョン大統領に投票。次点のキム・ムンス候補(25.3%)、イ・ジュンソク候補(10.3%)を大きく引き離した。

年齢層別に見ると、40~60代では男女ともにイ・ジェミョン大統領の支持が高く、40代では男性72.8%、女性72.6%、50代では男性71.5%、女性68.1%がイ・ジェミョン大統領を選んだ。

◇20代女性の選択理由:「戒厳反対」と「社会統合」

専門家の分析によれば、20代における男女の投票行動の乖離は、重視する価値観の違いによるものとされる。

20代女性は「戒厳令」や「弾劾選挙」としての性格、そして社会統合を重視してイ・ジェミョン大統領に票を投じた。

イ・ジェミョン大統領を支持した会社員(26)は「保守系候補が当選すれば、社会はむしろ分裂が深まると思った」と語った。

別の会社員(27)は「イ・ジュンソク候補は、男性中心のネット掲示板の女性嫌悪発言をそのまま政治に持ち込んだ印象を受けた。若い男性有権者がそれに同調しているのではと疑っている」と話した。

また、一部の女性有権者からは「戒厳を発動した大統領が属していた政党の候補には投票したくなかった」との声も上がった。

ある会社員(27)は「本当は民主労働党のクォン・ヨングク候補に投票したかったが、票が割れるとキム・ムンス候補が当選する可能性が高くなると思い、イ・ジェミョン大統領に投票した」と明かした。

◇20代男性の拒否理由:「女性寄り公約」と「裁判リスク」

一方、保守候補を選んだ20代男性からは、イ・ジェミョン大統領に対する否定的な意見が相次いだ。

就職活動中の男性(25)は「イ・ジェミョン大統領は以前から女性に配慮した公約を出し続けている。それが男女間の支持率格差につながった」と語った。

大学生(26)は「イ・ジェミョン大統領が現在受けている裁判は重大な事案だ。大統領候補として、自身の公約にも確信を持っていないように見えた」と述べた。

また、休学中の大学生(23)は「これまでのイ・ジェミョン大統領の言動を見ても、大統領という職にふさわしいとは思えなかった。裁判がまだ続いていることも引っかかる」と話した。

一方、改革新党のイ・ジュンソク候補に投票した大学院生(25)は「未来世代への真剣な配慮が見られたのは、イ・ジュンソク候補だけだった」と語った。

今回の大統領選挙は、非常戒厳宣布とユン・ソンニョル(尹錫悦)氏の弾劾によって突如実施された特殊な背景もあり、有権者の判断基準も大きく揺れ動いた。

(c)news1

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