
韓国大統領選挙(6月3日)に向け、各政党は今週末(5月30~31日)の事前投票を前に、支持層の動員に総力を挙げている。「事前投票=進歩陣営に有利」というこれまでの“公式”が崩れつつあるためだ。
かつては若年層の高い参加率から進歩系に有利とされた事前投票だが、制度の定着や世代間の政治志向の変化により、その傾向は変わりつつある。加えて、今回の事前投票日が平日に当たるため、各候補は1票でも多く獲得するための動員戦に奔走している。
専門家によると、事前投票の高投票率が特定陣営に有利に働くとは一概に言えない。制度導入初期には20~30代の進歩系支持者が多く参加し、進歩に有利との見方が強かったが、現在は年齢を問わず広く定着しており、構図は複雑化している。
前回の大統領選(2022年)では事前投票率が36.93%と過去最高を記録したが、当選したのは保守系・国民の力のユン・ソンニョル(尹錫悦)候補だった。
リアルメーターが22~23日に実施した世論調査によると、20代(18~29歳)のうち36.9%が保守系・国民の力を支持しており、進歩系・共に民主党(27.0%)、改革新党(25.2%)を上回った。30代でも民主党が42.8%と高かったが、国民の力(30.8%)も堅調だった。
進歩陣営の共に民主党は、高投票率が圧勝につながると見て、事前投票キャンペーンに力を入れている。特に「内乱状態を終息させよう」というスローガンを掲げ、有権者に投票を呼びかけている。
イ・ジェミョン(李在明)候補は「支持率が詰まってきている。気を緩めれば(国民の力に)逆転される」と強調し、危機感を共有している。
一方、国民の力は内部で広がる「不正選挙論」が障害となっており、支持者の動員にブレーキがかかる懸念がある。キム・ムンス(金文洙)候補は25日、「党の力を総動員して監視・監督に徹する。安心して事前投票に参加してほしい」と呼びかけた。
改革新党のイ・ジュンソク(李俊錫)候補は二桁得票率を狙い、若者の支持拡大を図っている。同党関係者は「投票所に“信念のある一票”を投じに来る人が多いほど、イ・ジュンソク候補の存在感が際立つ」と述べ、若年層に向けた啓発活動を進める考えを示した。
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