2025 年 11月 18日 (火)
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韓国大統領室の「青瓦台」復帰、地元商店主の期待と不安が交錯…「固定客に期待」「観光客減は痛手」

青瓦台(c)news1

韓国政府が大統領室を2025年12月中旬から青瓦台に段階的に戻すと発表したことを受け、青瓦台周辺の商店主の間で期待と懸念が交錯している。

ソウル市鍾路区の青瓦台周辺で飲食店を営む飲食業者(63)は「青瓦台が一般開放された観光客が来る土曜日には多少売り上げがあったが、平日や天気の悪い日、猛暑や寒波の日は客足が途絶え、商売に波があった」と語った。そのうえで「警察官や青瓦台職員の訪問は安定的なので、今後は業績が好転するのではないか」と前向きに話した。

同じ地域で最近新たに飲食店を開業した女性商店主(63)も「コロナ後に青瓦台が(龍山へ)移転してから5〜6軒の店舗が閉業したが、青瓦台が戻ってくるという知らせを聞いて空き店舗にチャンスを感じ、1カ月前に開店した」と述べた。

また、70代の女性飲食店経営者も「決まった時間に一定数の固定客が訪れれば、その日の材料や人員の準備もしやすくなる」と語り、大統領室の青瓦台復帰を歓迎している。

一方で「復帰しても売り上げが回復することはない」と懐疑的な見方を示す商店主もいる。韓国料理店を経営する飲食業者(45)は「青瓦台開放時には地方からの観光客でにぎわい、売り上げも伸びたが、大統領室と職員が来るだけではその水準には届かないだろう」と語った。

青瓦台から約460メートル離れた場所でカフェを営む女性経営者(54)は「観光客が来ていた時は売り上げがやや伸びたが、今は30%以上も減ってしまった」と明かし、「青瓦台が戻ってくれば建築や店舗改善に関する規制が強まり、発展が難しくなるのではないか」と懸念を示した。

さらに、大統領室の復帰によって集会・デモが頻発することへの住民の懸念もある。かつて青瓦台周辺の住民センター付近などは、市民団体による抗議活動が頻繁に開催されていた場所だった。

しかし一部の商店主は、デモ参加者を「潜在的な顧客」と捉えている。ある商店主は「地域住民にとっては集会や騒音が心配かもしれないが、商店主の立場では(参加者も)売り上げにつながる客として見ている」と語った。

韓国政府は2025年12月14日ごろから、龍山区にある報道官室「春秋館」など一部施設の移転を開始し、年内には大統領執務室を含む大半の機能を青瓦台に戻す計画だ。大統領官邸の移転は2026年前半になる見通し。

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