韓国・高位公職者犯罪捜査処(公捜処)によるユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の逮捕状執行が3日、失敗に終わった中、大統領側は遺憾の意を表明した。
ユン大統領の法律顧問団であるユン・ガプグン弁護士は、この日午後、記者団に対し「本日未明から内乱罪に対する捜査権がない公捜処が、違法かつ無効な逮捕状および捜索令状を、1級軍事機密保護施設区域であり警護区域でもある場所で、警察機動隊の兵力を動員して物理力を行使しながら強制執行を試みた」と指摘した。
ユン弁護士は「極めて遺憾だ」と批判したうえ「特に、警備業務を専門とする警察機動隊の兵力が、捜査業務である令状執行に積極的に加担したことは、1級軍事機密保護施設への侵入および特殊公務執行妨害、違法逮捕監禁未遂罪に該当するため、厳重に警告する」と強調した。
そのうえで「公捜処も国家捜査機関として法を順守し、業務を執行するよう強く求める」と付け加えた。
一方、公捜処は同日午前6時15分ごろ、ユン大統領に対する逮捕状執行のための車両5台を出発させ、午前7時17分ごろ、ソウル市龍山区漢南洞(ハンナムドン)の大統領官邸前に到着した。
その後、警察とともに午前8時5分ごろからユン大統領に対する逮捕状執行を開始し、官邸の建物前まで進入して警護処長に逮捕状を提示したが、警護処が捜索を不許可とし、5時間にわたる対峙が続いた。
公捜処本部はこの日午後1時30分ごろ、ユン大統領逮捕状執行について「対峙状況が続き、事実上、逮捕状執行が不可能だと判断した。執行阻止による現場人員の安全が懸念されたため、午後1時30分ごろ、執行を中止した」と明らかにした。そのうえで「法に基づく手続きに応じなかった被疑者の態度に非常に遺憾の意を表する」と述べた。
この日、令状執行が不発に終わったことで、公捜処が週末に令状の再執行を試みるかどうかに関心が集まっている。ソウル西部地裁が発付したユン大統領の逮捕状執行期限は6日までとなっている。
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