
韓国大学修学能力試験(修能)の試験場で、配布されたコンピューター用サインペンの「インクにじみ」によって不利益を受けたとする受験生の訴えが相次ぎ、波紋が広がっている。
教育当局は被害の実態把握とともに、採点過程での不利益を防ぐ方針を示している。しかし、対応できる措置には限界があり、救済されるのは一部のケースにとどまる可能性が高い。
11月17日午後6時に締め切られた韓国教育課程評価院(教育課程評価院)への異議申請は計675件に達し、そのうち101件がサインペンの不良に関するものだった。被害報告があったのは主にソウルや京畿道地域で、問題のサインペンは韓国教材会社「トンア教材」が製造したものとされている。
受験生らは共通して「インクが水滴のように落ちた」と証言し、「インクがにじんでマークが不明瞭になり、サインペンと解答用紙を何度も取り替えた」「手やOMRカード(マークシート)がインクで汚れた」と訴えている。
韓国でコンピューター用サインペンが修能で導入された2006年度以降、サインペンの不良による被害が報告されたのは今回が初めて。これまでは2011年度と2020年度に修能専用シャープペンシルの芯折れなどの不良が問題となったが、サインペンに関しては特別なトラブルはなかった。
一部の受験生には当日現場での応急対応が取られた。ソウル市教育庁の関係者は「希望する受験生には、監督官の立ち会いのもとで新しい解答用紙に答えを転記するよう措置した」と明らかにした。また、インクがにじんだまま提出された解答用紙についても、採点時に手作業で確認され、一定の救済が受けられる可能性がある。
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